ヘタリア大帝国
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TURN39 怪獣姫その七
「怪獣姫としてな」
「わかったわ。それじゃあ」
「かなりのことがわかったな」
少しの話でもだとだ。東郷は言った。
「そうか。怪獣といってもそれぞれだな」
「そして意思の疎通ができますね」
「そのことはわかったな」
「ええ、確かに」
日本は東郷とこうした話をした。しかしここでだった。
トルカはだ。東郷と日本にこうも言うのだった。
「怪獣との話はした後で疲れるから」
「?そうなのか」
「疲労を感じられるのですか」
「そう。その時は」
こうした話もするのだった。
「私はその後はしっかり寝ている」
「トルカは怪獣との話の後は一日は絶対に寝ているでごわす」
オーストラリアもこう二人に話す。
「歴代の怪獣姫もそうしているでごわす」
「調べたところだとね」
総督も話してきた。ここでだ。
「あまり休んでいない怪獣姫は短命なんだよね」
「怪獣との話はそれだけ消耗するということか」
「そうだね。普通の怪獣ならそれ程でもないみたいだけれど」
それでもだとだ。総督は東郷に話していく。
「大怪獣ともなるとね」
「消耗が激しいか」
「そうみたいだよ」
「そうなのか。怪獣の大きさによって消耗も違うか」
「大怪獣は惑星単位だしね」
普通の怪獣はとてもそこまではいかない。大怪獣達は特別だった。そして日本はここでこのことにも気付いたのだった。
「そういえば帝も」
「そうだな。富嶽を鎮められた後はな」
「かなりお疲れですから」
「大怪獣との意志の疎通は気力体力の消耗が激しいか」
「その様ですね」
二人はこのことからだ。大怪獣との意志の疎通の困難さを感じ取ったのだった。
それでだ。東郷はこう決断したのだった。
「この大怪獣には今後何があろうとも攻撃を加えない」
「それがいいでごわすよ」
オーストラリアもこう応える。
「友好的な大怪獣でごわすからな」
「そうだな。しかも攻撃すればだ」
「この四国が危ないでごわすよ」
「そうだ。だからだ」
「それでいいと思うでごわす」
「人類と共存共栄できる大怪獣か」
東郷はこのことをあらためて知ったのだった。そうしてだ。
納得した顔になってだ。こんなことも言った。
「できれば。そうした怪獣ばかりになって欲しいな」
「うん、僕もそう思うよ」
総督も東郷のその言葉に頷く。こうした話をしてだった。
太平洋軍は四国の大怪獣に対しては一切手出しをしないことになった。彼とは共存共栄を目指すことになった。
四国の話はこれで終わりオーストラリアと総督は太平洋軍に加わった。そのうえでだ。
マレーの虎から次の攻略目標ベトナムに向かうことになった。だが。
マレーとベトナムの境目を巡回していたマレーシアの艦隊がだ。突如として攻撃を受けたのである。
「左舷から敵です!」
「エイリス軍ね!」
「はい、騎士提督の旗艦が見えます!」
モニターに白い流線型の戦艦が映った。それは。
「ヴィクトリーですね」
「ヴィクトリー。つまりは」
「はい、遂に来ましたね」
「ネルソン提督、来たのね」
マレーシアも彼のことは知っていた。しかもだった。
彼だけではなかった。そのヴィクトリーの横にいる戦艦は。
「戦艦イギリスです」
「イギリスさんね」
国家の乗艦はその名前がそのまま使われているのだ。
「一緒に来ているとは聞いていたけれど」
「どうされますか、ここは」
「こちらは一個艦隊、相手は二個艦隊よ」
このことをだ。マレーシアは言うのだった。
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