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ヘタリア大帝国

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TURN36 タイの提案その二

「エイリスはともかくガメリカと中帝国は占領した東南アジア、オセアニアの諸星系をです」
「独立させて自分達の経済圏に組み込むつもりですね」
「はい、そう考えています」
「そのことは知っています。では」
「日本は今その東南アジア、オセアニアを席巻しようとしています」 
 まさに破竹の勢いだ。今のところは。
「ですから占領した国家を全てです」
「独立させてそのうえで」
「日本が環太平洋経済圏を設立させてはどうでしょうか」
「彼等より前にですか」
「そうされてはどうでしょうか」
「そうですね」
 帝はタイの話を聞いてからだ。そのうえでだ。
 まずは伊藤を見てだ。こう言うのだった。
「首相にまずです」
「はい、意見をですね」
「聞きたいのですがどうでしょうか」
「よい考えかと」
 これが伊藤の意見だった。
「ガメリカも中帝国もこの戦争ではエイリスと手を結んでいますが」
「その真意はエイリスを退けてですね」
「そうです。環太平洋経済圏の樹立にです」
「私達日本帝国に対しては」
「倒してからソビエトにけしかけるつもりです」
 流石は日本の元老であり首相だ、伊藤はここまで見切っていた。ガメリカと中帝国の思惑を完璧に読みきっていたのだ。
 それでだ。こう言ったのである。
「そうなっては我が国としてはいいことはありません」
「その通りです。我々は彼等の番犬ではありません」
 帝もやや不快感を見せて話す。
「ソビエトと戦うにしてもです」
「自らの意思で戦うべきです」
「ましてやソビエトが相手になると」
 帝はさらに言う。
「我が国はこの戦争で徹底的に打ちのめされる程のダメージを受けます」
「その通りです。それは決してなりません」
「おそらくガメリカと中帝国はこの戦争では我国を負かすだけで終わらせますが」
 問題はその後だった。ソビエトとの戦いだ。
「それからですね」
「だからです。この度は」
「ガメリカや中帝国の大義名分を先に奪ってですね」
 彼等はそのエイリスと同盟関係の為表だっては植民地の独立を言えないのだ。だからこそ日本帝国に攻めてもらっているのだ。
「我々が先に経済圏を築く」
「それがよいかと」
「あっ、その場合盟主は日本さんになりますので」
 タイはすかさずこのことも話す。
「宜しくお願いしますね」
「私が、ですか」
「そうです。この場合は日本さんしかいませんので」
「しかし私は」
「まあまあ。ワンマンでなくていいですので」
 そうしたことが肌に合わずいささか引っ込み思案な日本のこともわかってだ。タイはいつもの微笑みで言うのである。
「宜しくお願いしますね」
「ではそのことは皆さんとお話をして」
「別にいいんじゃないですか?」
「そうですよね」
 日本妹と台湾がまず言う。
「日本さんは今でも私達の代表ですし」
「そういうことなら」
「大切なことはこれまで通り会議で決めて」
「それでいいと思いますよ」
「それでいい的な?」
「そうですね」
 香港とマカオも話す。
「まあ先生やアメリカさんが入ったらその時はその時で」
「お話すればいいですね」
「そうですね。では私も」
「私もです」
 香港妹とマカオ妹も兄達に続く。
「日本さんでいいと思います」
「代表ということで」
「僕もそれでいいと思うよ」
「僕も」
「勿論僕も」
 今度は台湾兄にトンガにインドネシア達が賛成してきた。
 
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