八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十三話 一番凄い人その十一
「そうよね」
「ああ、八条家ってそっちとはつながりないけれど」
健全な企業経営を心掛けているからだ、アウトローの世界と関わると何かと面倒なことになるからだ。
「神戸だからね」
「ああ、全国区のね」
「ヤクザ屋さんの組織があるから」
「だからよね」
「そう、僕もよく聞くから」
それでだ。
「それなりにね」
「知ってるのね」
「そうなんだ」
「そういうことだったのね」
「うん、あとヤクザ屋さんなら」
僕は香織さんにこの人達についてさらに話した。
「文化祭でも紹介してる部活あったわね」
「あっ、清水の次郎長さんね」
「あの人幕末だったからね」
「その頃の人ね」
「実在人物だったから」
「森の石松さんも?」
「どうもね」
諸説あるにしてもだ。
「あの人もね」
「実在していたのね」
「お墓もあるしね」
本物だろうかと思うけれどだ、お墓もあるならだ。
「それならね」
「実在していたのね」
「そうみたいだよ、博打の元締めでね」
賭場系のヤクザ屋さんだったのだ。
「甲斐の黒駒勝蔵と張り合っていたんだよね」
「その人文化祭で言われていたけれど」
「ヤクザ屋さんでも新政府軍に加わって」
「功績挙げたのよね」
「けれどヤクザ屋さんだから」
もうこれに尽きた。
「悪事を調べられてね」
「打ち首になったのよね」
「そうなったんだ」
「ちょっと聞くと酷いお話よね」
「けれどヤクザ屋さんだからね」
もうこれに尽きる、ヤクザはヤクザという言葉はこうした時に使った言葉じゃないけれど当てはまると思う。
「だからね」
「処刑されても」
「仕方ないよ」
「悪いことしたのは事実だから」
「もうね」
「処刑は当然なのね」
「そう思うよ、僕は」
功績に報いることを新政府軍が相手がヤクザ屋さんだからだと躊躇してそれで悪事をもとに処刑して済ませてもだ。
「ヤクザ屋さんはね」
「もう処刑されてもなのね」
「仕方ないよ、殺人とかもね」
「してるから」
「まあ神戸だとね」
その全国区のヤクザ屋さんだ。
「自警団もやってたけれど」
「そうだったの」
「終戦直後ね」
これは広島でもあったみたいだ。
「もう警察が弱まっていたから」
「それで治安の為に」
「ヤクザ屋さんが自警団やってたんだ」
「そうだったのね」
「高倉健さんの映画でもあるよ」
まさにその神戸を舞台にした作品だ。
「所謂三国人が暴れていてね」
「そうしたことがあったのね」
「それでだったんだ」
ヤクザ屋さんが自警団を組織してだ。
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