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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり

作者:日本男児
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第1章 異世界接触編
  第1話 銀座動乱

時は2073年!!!
仮面ライダーがショッカーに破れ、世界が征服されてから100年もの年月が経過していた。

ショッカーが世界を征服してからというもの、ショッカーの卓越した科学力で社会は著しく発展し、地球温暖化や公害などの環境問題も世界から駆逐された。さらに人民の誰もが政府から与えられた適職についているので失業者はゼロ。また、教育は誰もが平等に行われ、医療費もかからない。このように生活の殆どをショッカーが面倒を見てくれることから「歴史上最高の福祉政府」と称賛する者が後を絶たない。
当たり前ではあるが世界中がショッカーの治める統一政府の元にある為、国家・民族間の紛争は征服後、起きていない。

まさに誰もが求めた「ユートピア(理想郷)」が実現しているのであった。


今日も銀座では高層ビルとビルの間を黒色を基調としたショッカーの飛行船が飛び交い、街頭ではドカドカとショッカーの宣伝ポスターが貼られ、道を行き交う市民は互いに右手を掲げて「イーッ!」と挨拶しているように見えた。



しかし、その日の銀座は何かが違った………。


「おい何だ?あの門は?」
「さぁ?さっきは無かったよ。」

銀座の中心地に突如として巨大な西洋風の門が現れたのだ。

やがて古代ローマ風の鎧と剣や弓、槍を装備した歩兵や騎士。おまけに、ゴブリン、オーク、ワイバーンなどといった空想上の怪物達が門から現れた。


彼らは雄叫びを轟かせると躊躇せずに市民達の方へと駆け出し、虐殺を開始した。
勿論、市民を守ろうとしたショッカー警察や戦闘員の面々も例外ではなかった。

黒いマスクと骸骨タイツが特徴的なショッカー戦闘員は常人の数倍の力を持つとはいえ、数も少なかった上、突然の事態に慌てふためき、人数も少なかったので、オークやゴブリンの人海戦術の前に次々と倒れていった。

あちこちで火の手が上がり、悲鳴が響き渡る。


「助けてくれーー!!」
「ギャアアアーー!!!!」
「緊急事態発生!応援を…グエッ!!」


彼ら…帝国軍は門の付近にあった時計台の前に死体の山を築くと、2〜3人ほどの兵士が墨色の旗を突き立てた。


「蛮族どもよ、聞くがよい!!
我が帝国は!!!
皇帝 モルト・ソル・アウグスタスの名においてこの地の征服と領有を宣言する!!!」



それからは帝国軍は二手に別れて殺戮と略奪を行いながら銀座を進軍していた。



ある程度、進むと骸骨模様の全身黒服の集団が横隊を組んで待ち構えているのが見え、足を止める。

黒服集団の戦闘には緑色のカニのシルエットの怪異とコブラの様な頭をした怪異が立っていた。


「俺はガニコウモル! 
偉大なるショッカーの改造人間だ!」

「俺はコブラ男だ!
貴様らが何者か知らんがショッカーに仇なす罪は重いぞ!!」

ガニコウモルとコブラ男が数千人の骸骨戦闘員を引き連れて帝国軍にジリジリと近づく。

「なんだ!?あの化け物は!?」
「この世界も怪異の類がいるのか!」

帝国軍兵士はショッカーの改造人間の恐ろしい姿に驚き、足がすくむ。



「フハハハハハ!!
偉大なるショッカーに敵対したことをあの世で後悔するがいい!!」
「よし!!戦闘員共!!不穏分子を迎撃せよ!」


「「「イーーッ!!!!」」」

ククリナイフやショッカー190型自動小銃などの銃火器で武装した骸骨戦闘員が帝国軍兵士に向かって突撃する。

仮面ライダー相手ならいざ知らず、戦闘員はキックやパンチを放つだけで非怪人なら簡単に吹き飛ばしてしまう。それに武器が加わればどうなるかは想像にするに難しくない。


怪人や戦闘員達は無慈悲であった。


戦闘員に剣を向けて立ち向かおうとした者はナイフで切り裂かれ、逃げようと背を向けた者は銃で身体中に風穴を開けられた。

一番悲惨だったのは改造人間を相手にした者達だった。


コブラ男は伸縮自在のコブラ状の右腕を伸ばして兵士やオークをなぎ倒し、ガニコウモルは口から吐いた溶解液でワイバーンごと竜騎士を生きながら溶かし、同時に別の兵士を両腕の鋭いハサミで八つ裂きにしていった。





また別の場所では―――――。


数台の軍用の装甲トラックが車列を組んで進軍する帝国軍の方へと進み、帝国軍の兵士の一群の前まで来ると急ブレーキをかけ、一斉にトラックの荷台から白いスーツを来た数百人の男達が次から次へと降りて横一列に並んでいく。

その中でサングラスを掛けたオールバックの男が横隊の前に立つ。


「偉大なる大首領様の為に!!!」


そう叫ぶと、赤紫色のUSBメモリのような形状の物体を取り出し、メモリ下部のスイッチを押す。


『コックローチ!!』


男は自身の手のひらにある生体コネクタにその物体…ガイアメモリを突き刺してコックローチドーパントに変身した。


『『『『『マスカレイド!!』』』』』


それに続いて背後にいた残りの男達もガイアメモリを起動して首に挿入してマスカレイドドーパントに変身した。

それだけにとどまらず、マスカレイドドーパント達はそれぞれ懐から1枚の銀色のメダル……セルメダルを取り出すと突然、額に発生したメダル投入口に投げ入れる。

すると彼らの額からミイラのような包帯巻きの怪人達が這い出てきた。
更に怪人達は崩れるように包帯が取れ、ヤミーと呼ばれる怪人に変異した。

カマキリの姿をしたカマキリヤミー、ネコの姿をしたネコヤミー、プテラノドンの姿をしたプテラノドンヤミーなど
数え上げればきりがない。


これを見た帝国軍側は混乱していた。
目の前に立ちふさがった敵が怪物に変身したと思ったら、あっという間に敵の数が倍以上に膨れ上がったのだ。
明らかに兵士達は怯えていた。


「ええい!怯むな!所詮、敵は蛮族!我々、栄えある帝国の敵ではない!
突撃しろ!!行け!!」


重そうな鎧を身に纏った指揮官が士気を取り戻すべく、兵士達を鼓舞する。

兵士達は次第に落ち着きを取り戻し、隊伍を組み直して盾を構えた重兵を先頭に突撃を開始した。


「お前達、行け!」

指揮官であるコックローチドーパントが命令すると、ショッカー側のドーパントとヤミーも帝国軍目指して走り出した。


「ギャーーー!!」「グェーー!!」
「ウォォォーー!!」


雄叫びと肉がぶつかり合う鈍い音がなるが早いか、両軍が激しく衝突した。

しかし、ショッカー側はドーパントとヤミーという二種類の怪人の混合軍団で帝国側はショッカーから見れば、ただの人間の寄せ集めでしかない。

どちらが勝つかなどは火を見るより明らかである。


帝国兵士より圧倒的に強力な身体能力を持つマスカレイドドーパントが盾とぶつかっただけで余りの衝撃に盾を構えていた兵士が後ろ向きに倒れる。

それからはショッカー側の独壇場だった。



ある兵士は剣を振り上げた途端、カマキリヤミーの鎌に腹を切りつけられ、ある兵士はネコヤミーの放つ黄色のエネルギー弾の前に倒れていった。
プテラノドンヤミーは空を飛び、ワイバーンを叩き落として、敵の後方にダメージを与える。


改造人間の軍団とドーパント・ヤミーの混合軍団は帝国軍を門の方へと追い詰めていった。

こうして帝国軍は僅か数時間の戦闘でショッカーの怪人・戦闘員軍団により各個撃破され、全滅した。



こうして後に『銀座動乱』と呼ばれる帝国による虐殺事件及びショッカーとの戦闘は収束した。





1週間後…………………………





「これより、ショッカーの決定を放送します。
市民の皆さんはテレビの前に集合してください。
繰り返します――――。」


各家庭、街頭にあるテレビの画面にショッカーレリーフがアップで表示される。
そこに赤い三角頭巾とマント姿の人物がゆっくりと現れる。

ショッカー大首領その人である。


「……………設立時、ショッカーの唱えた未来とは、優秀な人間を選んで、動植物の特性を持った改造人間に改造し、人民に心の平和を与え、新世界を築くことであった。
それを実現して百年、現在ではショッカーは改造人間のみならず、グロンギ族やオルフェノクなどの多くの種族と共に新世界を歩むまでになった。」

大首領は一息、間をおいて続ける。

「さて、本題に移るが…銀座での敵の虐殺による犠牲者の数は数万人にものぼったという……つい、数日前のことである。

当然ながら、侵略者共がやって来たその土地は地図に載ってはいない。
門の向こうがどうなっているのかも分からない。よって『門』を破壊しても何も解決しない。それは『門』が世界の何処かにまた現れるかもしれないからだ。さらに連中は自らを『帝国』と名乗り、一般市民を平気で虐殺し、この平和で完璧な新世界を乱そうとする悪の化身である。向こう側に存在する悪のテロリストを懲罰すべきなのだ。


このような事態が二度と起きぬようにする為にも我々は『門』の中に踏み入る必要がある。危険は承知だ。


我々、ショッカーは今回の敵の悪辣なる侵略行為に断固抗議し、敵を懲罰する為……………




門の向こう側に兵を送ることを決定した!!!」


事実上の宣戦布告が終わった。
こうしてショッカーと帝国の血塗られた戦争が幕を開けたのであった。
 
 

 
後書き
次回予告 

門の向こう側へ踏み込んだショッカーは帝国軍と連合諸王国軍との戦闘を開始する。

しかし、「門」は1つだけではなくて…………。



乞うご期待!!! 
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