夢幻水滸伝
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第百二十七話 破られた必勝その八
「それでもな」
「中国とアメリカ、北極と地下世界はか」
「日本に来るわ、南洋は倒したが」
「この四つの勢力はか」
「もう中国とアメリカは出陣してな」
そのうえでというのだ。
「こっちに来てるで」
「アメリカもやな」
「もうワシントンを経ったって情報が入ってる」
「連中の首都のか」
「それでこっちに来てる、ただ北極と地下世界は何かお互いで話しててな」
「そうしてるんか」
「それで地下世界は大軍で星のモンも少ないせいか」
それでというのだ。
「まだ出陣してない」
「それはまだか」
「アレンカールの方はアフリカの星のモンと軍勢が中南米に来た」
「その段階か」
「そこから出陣となるからな」
「もうちょっと先やな」
「連中はな、それでな」
中里はここでカレーのおかわりをした、山盛りのカレーだったがあっという間に食べてしまい二杯目となった。
二杯目も山盛りだ、そのカレーを食べつつ鵺にさらに話した。
「今度の敵は中国でな」
「その次はやな」
「アメリカになるわ」
「そうなるか」
「そこから先はまだわからん」
今の時点では、というのだ。
「中南米とアフリカの連合か」
「北極、地下世界か」
「そこはわからん、けどな」
それでもとだ、中里は自分もカレーのおかわりをした鵺にさらに話した。
「次の相手は決まってる」
「中国やな」
「その次はアメリカや」
「覇権を争う勢力で二強やな」
「国力、技術力、人口とな」
「星のモンでもやな」
「この二つの勢力が本命になってる」
太平洋と地下世界の覇権を握る勢力のというのだ。
「何といってもな」
「その二大勢力にやな」
「僕等はこれから戦ってな」
「勝つ」
「そういうことや、ずっと正念場の戦やが」
それでもとだ、中里はここでカレーにソースをかけた。そうしてカレーの味をさらに濃厚なものにさせてから食べて言うのだった。
「中国戦とアメリカ戦はな」
「特にやな」
「厳しいことになるで」
「そやろな、どっちも神星が二人ずつおる」
「しかも六将星や」
中国とアメリカの神星の者達はというのだ。
「僕と同じな」
「戦に強いな」
「それぞれの戦闘力も高いうえに」
「采配もええ」
「四人共かなりの強さや」
「そやから勝つことはやな」
「難しい、そこは覚悟してな」
そのうえでというのだ。
「やってくで」
「わかったわ、しかしな」
「しかし。何や」
「負ける気はしてへんやろ」
鵺はここで笑って自分の主に問うた。
「そやろ」
「わかるか」
「わかるわ、わしは自分の神具や」
だからだとだ、鵺は中里にその笑った顔で話した。
「そやから以心伝心とまではいかんが」
「わかるんやな」
「わからんこと以外はわかる」
「そら当たり前やろ」
中里は鵺の今の言葉には彼も笑って返した。
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