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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十二話 夜の屋上でその八

「暴力も振るわないしね、家にお金も入れてくれて」
「義和の面倒もなのね」
「見てくれてね」
 そうしてだ。
「お料理も作ってくれるし」
「そっちもしてくれるの」
「僕が作ろうとしても笑って好きでやってるって言って」
「それでなのね」
「いつも作ってくれたんだ」
 八条荘に入るまでずっとそうだった。
「勿論借金もしないし」
「借金もなのね」
「八条家の人で借金作った人いないけれどね」
 そこは世界屈指の企業グループの経営者の一族だからだ、遊んでもそんな借金をもうけるというか散財しようにもしきれないものがある。
 けれど親父は一族の資産には目もくれずに自分の金は自分で稼ぐ、こう言って一族の資産からではなく自分で稼いだお金で遊んでいる。これなら借金生活も有り得るけれど親父は借金を作ったことはない。
「親父もなんだ」
「そこまで遊ばないのね」
「というか変に貢いだりね」
 キャバクラの人とかにだ。
「乱痴気騒ぎとか。あとギャンブルとか」
「そういうことしないから」
「だからね」
 そうしたお金を無駄に注ぎ込む遊びをしないからみたいだ。
「親父は借金を作らないんだ」
「ブランド漁りもしないのね」
「恰好いいものは着ても」
 お洒落なことはお洒落だ。
「ブランドにこだわらないし集めることもね」
「しないのね」
「自分がいいと思えばそれを買って着るだけだし」
「お洒落はしても」
「高いブランドにこだわらないよ」
 親父曰く安くても高くてもいいものはいい、悪いものは悪いだ。
「食べるものも同じで」
「高いお店にこだわらないのね」
「家でインスタントラーメンを食べる時もあるよ」
 それも賞味期限間近で半額になっているものをだ。
「美味しければいいって思って」
「それでなのね」
「それ食べて安い奸の発泡性のお酒飲んだりね」
 ストロングかグレイトかいうものを飲んでいた時もあった、やっぱりそれが口に合うからだと言っていた。
「美味しかったらね」
「こだわらないのね」
「高級レストランとかにもね」
「何か我が道を行くね」
「遊びとか好みもそうだから」
 スーツも同じだ、恰好よくしてもブランドにはこだわらない。けれど着こなしや姿勢がいいせいかどんな服でも似合う。
「だからね」
「借金も作らないのね」
「東京に行ったら銀座でも飲むらしいけれど」
 酒好きで女好きだからだ。
「貢がないしね」
「女の人に」
「逆に貢がれても断るし」
「それもないの」
「そうしたことでものは受け取らないらしいから」
 これも親父のポリシーらしい、男女のことでもののやり取りは不要だというのだ。
「それでね」
「貢がれてもなのね」
「受け取らないよ」
 そのプレゼントをだ。
「他の場合は受け取っても」
「そうなのね」
「とにかくね」
 親父のポリシーとしてはだ。 
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