夢幻水滸伝
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第百二十七話 破られた必勝その六
「手札を使ってな」
「それでやな」
「やっと勝った」
「そうした勝利やな」
「確かに僕等は完勝したけどや」
中里はカレーと一緒に出されている牛乳を飲みつつ話した。
「それでもや」
「こっちの損害はやな」
「決して馬鹿には出来ん」
それだけのものだというのだ。
「見ての通りやな」
「そやな」
「死んだ将兵は復活させて」
中里はこれからのことも話した。
「負傷したモンは手当する」
「すぐにやな」
「そうして休ませて」
「軍の状況を解決させるんやな」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「次の戦に向かうで」
「戦に勝ってすぐに次の戦考えるか」
「今はそんな状況やってことや」
中里はカレーの中の鶏肉、ルーを構成している何十種類ものスパイスで味付けされているそれを食べつつ言った。
「太平洋と地下世界の覇権握るまでな」
「その時まではやな」
「そや、戦わなあかん」
「それで今勝ってもか」
「すぐに次の戦に向かう」
「それで手当とかもするんやな」
「将兵を休ませてな、そしてな」
中里は鵺にさらに話した。
「我が軍は今は北に向かう」
「蓬莱はか」
「そや、そしてや」
そのうえでというのだ。
「今度の敵はもう決まってる」
「今わし等はフィピン東沖におる」
鵺は中里の次の敵は決まっているという言葉からまずは今自分達がいる場所から考えてそうして述べた。
「そこから北となると」
「わかるな」
「中国やな」
「今中国移動要塞、崑崙というらしいが」
「それがか」
「上海におる、それでな」
「その上海からか」
「そや」
その彼等がというのだ。
「今から出陣する」
「そうするか」
「それでや」
「北に向かってか」
「中国軍と戦うで」
今度はそうするというのだ。
「まさにな」
「そうするか」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「その中国との戦に備えてな」
「用意するんやな」
「将兵を休めて傷を回復させてな」
「復活させてやな」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「充分な状況に戻してな」
「中国軍と戦うか」
「そうなる、これから軍議も開くしな」
「色々と忙しなるか」
「今度の敵も強いで」
中国軍、彼等もというのだ。
「そやからな」
「あの国ともやな」
「持てる札は全部使ってな」
「全力で戦ってやな」
「そうして勝つで、今度も軍勢は多いし」
「むしろ南洋より多いな」
「六百四十万や」
その数をだ、中里は鵺に話した。
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