夢幻水滸伝
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第百二十七話 破られた必勝その三
「思うけどどや」
「そやな、今やろな」
狐は芥川の問いに真面目な声で答えた。
「ここは」
「リーの十絶陣をどう破るか」
「そう考えたらやな」
「一つしかなかった、けどな」
「その一つがやな」
「あれやった」
狐に真面目な声で述べた。
「絶対にリーに勝てる」
「そうした策やったな」
「十絶陣は確かに強い」
リーの神具であるそれはというのだ。
「それでも無敵のもんはない」
「そうした神具はやな」
「一切ない」
まさにというのだ。
「そやからな」
「十絶陣でもやな」
「破ることは出来る」
「そういえばあいつは十絶陣以外は」
狐はリーの他の神具の話もした。
「戦に直接使えるのはないな」
「そやろ、後は術や」
リー自身のそれだというのだ。
「あいつが戦に使うのはな」
「その術も相当強力やけどな」
それでもというのだ。
「戦はその二つで成り立ってる」
「術が最強の矛か」
「守りにも使う効果もあるけどな」
「それでも武器はそれやな」
「そして十絶陣はや」
今もリーの周りを巡るその門達はというのだ。
「盾や」
「それやな」
「最強の盾や」
それになるというのだ。
「それで敵を防ぐ」
「敵の軍勢も攻撃もか」
「まさに最強の盾や、しかし」
「それでもやな」
「さっきも言うただこの世に無敵のもんはない」
芥川はまたこのことを指摘した。
「これはこの世で数少ない絶対のことの一つや」
「その絶対のことをやな」
「衝くんや」
まさにというのだ。
「そうして勝つ」
「そうするか」
「そや、これからな」
芥川はリーだけでなく十絶陣も見ていた、神舟も見ているがそちらはこれといって見てはいなかった。
リーの術をかわす、するとリーが言った。
「そのままかわすだけでは」
「勝てんな」
「そうなるが、一つ言っておくが」
リーは芥川に対して言った。
「十絶陣は私が思うままに動く」
「ただ周りを回るだけやないか」
「そうだ、つまりだ」
リーはその目を光らせて話した。
「君に向けることも出来る」
「そういうことやな」
「このことはもう知っているな」
「ああ、自分のことは調べた」
それも徹底的にというのだ。
「そやからな」
「そうだな、私も決着をつけたい」
「ほなここでか」
「受けるがいい」
リーは芥川を見据えた、そうしてだった。
彼は十絶陣の全てをリーに向けた、そうして彼を倒そうとするが。
ここでだ、リーは狐に言った。
「今や」
「まさにか」
「そや、今こそや」
こう言うのだった。
「あれを使う時が来た、十絶陣のことは知ってた」
「リーさんの思うままに動く」
「そうなるってな」
その様にというのだ。
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