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『Delusion』

作者:零那
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『Brute』



其の幻影に爪立て、引き裂いて切り刻んで、此の記憶からも葬り去る。
其れができたならもう何も怖くはない。

過去の幻影に犯されることもない。
アイツの存在に怯えることもない。

アノ時の感触がリアルに這う。もう幾年も過ぎたというのに此の傷は一向に1mm足りとも癒えない。

脳髄に重く響く猛獣の声。同時に躰を引き裂かれる痛み。身動きとれなくてひたすら流れる汗と涙。

死ぬ迄こびりついてるんだろうなと思うと沸き出る殺意。
いつか本当に殺すかな。


 
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