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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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第70話

~湿地帯~

「な――――――」
「いやああぁぁぁぁぁっ!?」
「彼は動いていないにも関わらず一体いつ道化師を斬ったんだ……!?」
「恐らく”俺達も認識できない速さで動いたんだろう”が……しかも一撃どころか、複数の斬撃を俺達も認識できない速さで放つとかありえねぇだろう……!?」
「あれが殿下達の話にあった”超人”でなければ極めることができない異世界――――――いや、双界最強の剣技――――――”飛燕剣”……!」
「は、話には聞いていたけど、あまりにも”次元”が違うよ……!」
「”あれ”を見て残りの3人はどうするのか、見物(みもの)だよね、キャハッ♪」
四肢を斬り落とされた挙句生首や胴体まで真っ二つに斬り落とされたことで無残な遺体となったカンパネルラを見たアッシュは絶句し、アリサは思わず悲鳴を上げ、ガイウスとクロウは信じられない表情で、アンゼリカは厳しい表情でそれぞれセリカを見つめ、トワは不安そうな表情で声を上げ、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべてレクター少佐達を見つめた。

「まさか……”道化師”を”私達すら認識できない速さで瞬殺する”とは……どうやら最低でも”鋼の聖女”や”劫焔”クラス――――――いえ、”最悪はあの二人すらも歯牙にもかけない使い手”と見積もった方がよさそうですわね……!」
「うーん…………こりゃ、”詰んじゃった”かな~。」
「クソ……ッ!”勝率が0どころかマイナス100パーセント”かよ……!――――――だからと言って”ミリアムの死を犠牲にしない為”にもこんな所で倒れる訳にはいかないんだよッ!!」
一方カンパネルラが瞬殺されたことに驚いたクルーガーはセリカを最大限に警戒し、シャーリィは疲れた表情で溜息を吐き、厳しい表情で悪態をついたレクター少佐は僅かな時間で駆動を終了させて発動したアーツ――――――ジャジメントボルトをセリカに放ったが
「雷光――――――地烈斬!!」
魔剣に雷撃の力を纏わせたセリカは一瞬の動作で凄まじい雷の斬撃波を放った。セリカが放った斬撃波は”セリカに襲い掛かる雷のアーツを易々と斬り裂いて”、レクター少佐に襲い掛かった!
「な――――――チィッ……!?」
魔法(アーツ)が斬撃に斬られる”という信じがたい出来事に絶句したレクター少佐はすぐに我に返って襲い掛かる斬撃波を回避しようと側面に跳躍したがセリカが放った斬撃波は余りにも早かった為、回避は完全に成功せずレクター少佐の左腕を斬り落とした!
「――――――!!ぐああああぁぁぁぁぁっ!?」
左腕を斬り落とされたことに気づいたレクター少佐は左腕を斬り落とされたことによる凄まじい痛みで悲鳴を上げた。

「やあっ!!」
その時シャーリィは自身は滅多に使わないF(フラッシュ)グレネードをセリカに投擲したが
「無駄だ。」
セリカは投擲されたグレネードが地面に着地する前に魔剣を振るってグレネードを真っ二つにして閃光爆発が起こるのを防いだ。
「いいえ、その一瞬で十分でございます―――!」
するとその時クルーガーは一瞬の早業でセリカの周囲に鋼線(ワイヤー)を張り巡らせた。
「これは……」
(ほう、”鋼線による結界”とは珍しいものを見せてもらっただの。)
セリカが自身の周囲に張り巡らされた鋼線(ワイヤー)を見回している中ハイシェラは興味ありげな表情でクルーガーを見つめ
「少しでも動けば全身が切り刻まれますから、そちらにいるお嬢様達に取り除いてもらうまでそこから動かない方が貴方の為ですわ。――――――では、今度こそ私達は失礼させて頂きます。」
クルーガーはセリカに警告をして、レクター少佐達と共にその場から撤退しようとしたが
「”この程度で俺を止める事ができる”と思われるとは、随分と舐められたものだな。飛燕剣”舞の型”――――――沙綾円舞剣!!」
何とセリカは魔剣を一振りしてクルーガーによる鋼線(ワイヤー)の結界を切り裂いた!

「な――――――」
「ヤバ……っ!?」
それを見たクルーガーは絶句し、シャーリィが焦りの表情をしたその時
「全てを薙ぎ払え――――――双竜の大竜巻!!」
「キャアアアアアアッ!?――――――カハッ!?」
「うわああああああっ!?――――――あぐっ!?」
「うおおおおおおおっ!?――――――ガハッ!?」
セリカが僅かな詠唱時間で魔術を発動させた二つの大竜巻に三人は巻き込まれると、竜巻によって全身が切り刻まれた後それぞれ吹き飛ばされて近くの木にぶつかってうめき声を上げた。

「シャロン――――――ッ!!」
レクター少佐達同様全身血塗れになって、地面に倒れているクルーガーを見たアリサは悲鳴を上げ
「剣でアーツを斬るみたいなオカルトじみた事をした上一瞬であの3人をあんなザマにするとか、一体どれ程の”化物”なんだよ、あの女みたいな野郎は……!?」
「しかもあんな凄まじい剣技に加えて、魔術も凄まじいとはね……先程の超人じみた剣技に加えて竜巻の魔術……まさに彼にとってもう一つの二つ名である”嵐の剣神”そのものだね。」
「そ、それよりもこのままほおっておいたら、シャロンさん達が……!」
アッシュは信じられない表情で声を上げ、アンゼリカは真剣な表情でセリカを見つめ、クルーガー達が絶体絶命の状況に陥っている事をすぐに悟ったトワは悲痛そうな表情で声を上げた。

「く…………っ……まさか……これ程とは…………」
「アハハ…………ここまで”力の差”が違うと、もう笑うしかないね~…………」
「く…………そ……っ!こんな所で、倒れる訳にはいかないんだよ……っ!」
「――――――傷が浅かったようだな。」
(クク、果たして”奴等”は”間に合うか”だの?)
それぞれうめき声を上げて立ち上がろうとしているクルーガー達を見たセリカは静かな表情で呟いた後クルーガー達に”止め”を刺す為に広範囲に斬撃を放つ剣技――――――”沙綾紅燐剣”を放つ構えをし、それをハイシェラは不敵な笑みを浮かべて見守っていた。
「止めて――――――ッ!!」
一方セリカの行動を見て、セリカがクルーガー達に”止め”を刺そうとしている事を悟ったアリサは悲鳴を上げた後走ってセリカの進行を防ぐかのように、セリカと対峙して両手を広げ
「アリサ君……!?」
「チッ……俺達も行くぞ!!」
「……敵を庇うとかバカじゃないの?」
アリサの行動を見たアンゼリカは驚きの声を上げ、クロウは舌打ちをしてトワ達と共にアリサの元へと向かい、その様子を見ていたエヴリーヌは呆れた表情を浮かべていた。

「エヴリーヌが一緒にいる所を考えるとお前達がヴァイス達の話にあった”Ⅶ組”とやらか……それで、何故俺の前を阻む?お前達の後ろにいる連中はお前達にとっても”敵”であるはずだが?」
(クク、セリカを阻もうとするとは命知らずな小童(こわっぱ)達だの。)
アリサ達と対峙したセリカは一瞬だけエヴリーヌに視線を向けた後アリサ達の正体を悟ると静かな表情でアリサ達に問いかけ、ハイシェラはその様子を興味ありげな表情で見守っていた。
「何故もなにも、このままほおっておいたら、貴方はシャロンを殺すんでしょう!?そんなの、シャロンの”家族”として許さないわ!」
「それにレクター少佐にも思う所はあるが、彼にも世話になった事も事実だし……オレ達が失った仲間(ミリアム)も少佐の”死”は決して望んでいない。だからどうか、彼らに”止め”を刺す事は止めてくれ……!」
「ま、俺としてはこの中で何の関係もない”紅の戦鬼”に関しては”止め”を刺してくれても構わないが、その様子だとあんたは”3人纏めて殺る”つもりなんだろう?悪いがそれは諦めてもらえねぇか?」
セリカの問いかけに対してアリサは怒りの表情で反論し、ガイウスは真剣な表情で、クロウは苦笑しながらそれぞれセリカに嘆願した。
「お前達()………」
「アハハ、支援課のお兄さん達ともいい勝負をする”甘い”人達だね~。」
「お、お嬢様………そこをお退きください……!これがお嬢様方のお気持ちに応える事を否定して結局は闇の中で生きる事を選んだ私に相応しい”末路”なのですから、お嬢様方が私の為に命をかける必要はございません……!」
一方アリサ達に庇われたレクター少佐は驚き、シャーリィは呑気に笑い、信じられない表情をしていたクルーガーは辛そうな表情を浮かべてアリサ達に警告した。

「嫌よ!”例えどんな状況であろうと、シャロンが家族なのは変わらないわ!”だから、私にとって大切な家族を殺すなんて絶対に許さないんだから!」
「お嬢……様………」
自分の警告を無視してセリカを睨んで声を上げたアリサの言葉を聞いたクルーガーは辛そうな表情を浮かべた。
(クク、それでどうするセリカ?エステル嬢ちゃんがこの事を知れば、後で煩くいってくる事は確実だの。)
「……………………………………いや、”どうやら奴らが間に合ったようだ。”」
「え……………………」
その様子を見守っていたハイシェラは興味ありげな表情でセリカに問いかけ、問いかけられたセリカは目を伏せて黙って考え込んでいたがある気配に気づくと目を見開くと同時に剣技の構えを解いて静かな口調で呟き、セリカの言葉を聞いたトワが呆けた声を出したその時
「―――それ以上はストップです、セリカさん!!」
ロイドの声が聞こえた後、ロイド達”特務支援課”がその場にかけつけた!

「貴方達は一体………」
ロイド達の登場にガイウスは目を丸くし
「あっ!あの赤い髪の女の人は太陽の砦でも戦った”赤い星座”の……!」
「シャーリィ!この間の”アルスター”の件で痛い目に遭っていながらも、性懲りもなくまたクロスベルに喧嘩を売りに来たのか!?」
「どうやら局長――――――いえ、陛下の情報通り、本当に”金の騎神”の獲得の為にここに来たようですね……」
「ええ…………恐らくあの光の柱が”試練の場”なのでしょうね……」
一方シャーリィを見つけたユウナは声を上げ、ランディは厳しい表情でシャーリィを睨み、レクター少佐達を見まわしたノエルの言葉に頷いたエリィは光の柱に視線を向けた。

「それにしても、”騎神”も無いのにどうして”試練の場”が現れたのでしょう……?」
「これも”黄昏”による影響だと思うのですが…………もう一つ他にも考えられる可能性がありますね……」
「え、え~っとそれよりも、あの”試練の場”ってどんな素材が取れるのか興味が沸かない!?」
「シャマーラさん、話を逸らすにしても幾ら何でもその場の空気を読まない逸らし方はどうかと。――――――それよりも、レクター少佐達をかばってセリカさんと対峙するという超無謀な事をしているあの人達がヴァイスさん達やリィンさんの話にあった”Ⅶ組”なんじゃないですか?エヴリーヌさんも一緒にいるようですし。」
エリナの疑問に答えたセティはある推測をすると答えを濁し、セティ同様察しがついたシャマーラの露骨な話の逸らし方に呆れたティオはジト目で指摘した後アリサ達に視線を向けた。

「!ど、どうしてリィンの事を……!」
「も、もしかして貴方達が”特務支援課”……?」
ティオの口から出たリィンの名前を聞いたアリサは驚き、ロイド達の正体を察したトワはロイド達に訊ねた。
「ああ――――――クロスベル警察、”特務支援課”の者だ。クロスベル帝国政府よりこの湿地帯で活動している破壊工作もしくは盗掘の疑いがかかっている”密入国者達”への対処の為にここに来たんだが……確か話によると”密入国者達は4人”と聞いていたが残りの一人はどこに……?」
「!どうやら残りの一人に関しては俺達よりも一足早く着いたそこのリア充神剣士に無謀にも挑んだ挙句、返り討ちにあったみたいだぜ?」
トワの疑問に答えたロイドはクルーガー達を見まわして一人足りないことに眉を顰めていると、カンパネルラの遺体に気づいたランディが答えた。
「へ…………――――――!!」
「……ッ!あ、あの人も確か太陽の砦で現れた……!」
「結社の執行者、”道化師”ね………」
「”挑んだ”というか、セリカさんに”一方的に襲い掛かられて”あんな事になったのでしょうね………確かヨシュアさんの話だと、”道化師”の戦闘能力はそれ程高くない上”道化師”は”執行者”の中でも特殊な立場でいる事から必要不可欠な戦闘以外の戦闘は避ける傾向にあるとの事ですし。」
「そして、他の3人にセリカさんが”止め”を刺そうとしたところに私達がギリギリ間に合ったという事ですか……」
「というかよく見たら、レクター少佐も左腕を失っていますから、恐らくあれもセリカさんとの戦闘によるものでしょうね……」
ランディの指摘を聞いてカンパネルラの遺体に気づいたロイドは目を見開き、カンパネルラの無残な遺体を見たユウナは息を飲み、エリィとティオはそれぞれ複雑そうな表情で呟き、セティとノエルは重々しい様子を纏って呟いた。

「……セリカさん。”通信でも話した通り、俺達が間に合えば彼らが撤退する事を見逃すという約束”を果たしてもらいますよ。」
「……念のために確認しておくが、お前達は本当にそれでいいのか?わざわざ見逃さなくても俺との戦いで疲弊したそいつらを捕らえて、牢屋に入れたほうが今後の戦争でお前達の祖国であるクロスベルがより有利になると思うのだが。」
静かな表情でセリカに声をかけたロイドの言葉にアリサ達がそれぞれ驚いている中、セリカは静かな表情で問い返した。
「確かにセリカさんの仰る通り、現にこうして戦争中であるクロスベルに”密入国”した彼らを”逮捕”することが私達の役目ではありますが……」
「”かかし(スケアクロウ)”には競売会(オークション)に潜入したロイド達を血眼になって探していたルバーチェの連中から誤魔化してもらった事もそうだが、クロスベル解放にも手を貸してもらった”恩”があるからな。その”恩”を返さずにかつての俺達のように窮地に陥った”かかし(スケアクロウ)”を逮捕しちまったら、俺達自身が納得できねぇんだ。」
「……ですね。それに少佐のお陰でセリカさんにとっても結果的にはいい結果へと変えた”キーア”をルバーチェから守れたんですから、セリカさんにとっても一度だけ見逃してあげる理由はありますよ。」
セリカの言葉に答えたエリィとランディの言葉に頷いたティオは苦笑しながらセリカを見つめ
「………………俺も”どこぞの誰かさん”のせいで甘くなったものだな。」
(クク、二柱もの女神の性格を変えた実績があるエステル嬢ちゃんと関わった事が運の尽きかもしれぬだの。)
少しの間黙って考え込んでいたセリカは小さな溜息を吐いて魔剣を鞘に納め、その様子をハイシェラはおかしそうに見守っていた。

「――――――だが、見逃すのは”今回限りだ”。それはわかっているな?」
「ええ。次に同じ事があれば、俺達も”クロスベル警察としての役目”を果たします。――――――セティ、動ける程度でいいから少佐達の傷を回復してあげてくれ。」
「わかりました。――――――風の精霊達よ、かの者達に癒しを―――癒しの風。」
セリカの念押しに頷いたロイドはセティに視線を向け、視線を向けられたセティはクルーガー達に治癒魔術を放ってクルーガー達の傷をある程度回復させた。
「そういう訳で、少佐達が今回クロスベルで犯した”罪”に関しては競売会(オークション)とクロスベル解放に手伝ってもらった恩と相殺して、特別に”見逃します。”」
「ハハ…………そいつはありがたいが、できる事ならもう少し早く到着して欲しかったぜ。お陰様で俺の左腕はこの通りお釈迦になった上、こっちはただでさえ人手不足の状況で貴重な戦力まで失ったんだぜ?」
真剣な表情をしたロイドに声をかけられたレクター少佐は苦笑しながら立ち上がってロイド達に失った左腕があった部分を見せた後カンパネルラの遺体に視線を向けた。

「むしろセリカさんに”抹殺対象”と判断されて、”その程度”ですんだことに感謝して欲しいくらいなのですが………」
「だよなぁ?セリカの野郎がその気になれば、お前達3人とも”全身を微塵切り”にされて”血染め”の二つ名で呼ばれていたシャーリィも二つ名を返上したくなるほどのスプラッターな事になったと思うぜ?」
「………お前達は俺を何だと思っている……?第一、敵を殺すのにわざわざそんな”面倒な事”をする訳がないだろうが。」
(クク、”人を微塵切りにできる事”に関しては否定していないだの。)
レクター少佐の指摘に対してジト目で反論したティオの言葉にランディは疲れた表情で頷いて答え、二人の会話を聞いて呆れた表情で指摘したセリカの言葉―――『その気になれば人を微塵切りにすることは可能』と口にした事にアリサ達だけでなくクルーガー達もそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ハイシェラは不敵な笑みを浮かべていた。

「―――それと。ヴァイスハイト陛下から少佐達への伝言を預かっています。」
「”黄金の戦王”からだと……?どうせろくでもない内容なんだろうが、一応聞いておくぜ。どんな内容なんだ?」
エリィの言葉を聞いたレクター少佐は眉を顰めて続きを促し
「『今回の件で懲りたのならば、2度と戦争の決着がつくまでクロスベルに潜入して未来のクロスベルの民達に手を出す等といった愚かな事を企まない事だな。もし、次に同じことがあれば”太陽の砦”での北の猟兵達と同様”皆殺し”にしてやろう』との事です。」
「『未来のクロスベルの民達』…………――――――!クロスベルが匿っている”第二のハーメル”である”アルスター”の民達ですか……」
「なるほどね~。今回シャーリィ達に”嵐の剣神”と支援課のお兄さん達を派遣したのは”アルスター”の人達にシャーリィ達が手出しできないようにする為の”牽制”と”見せしめ”だったんだ。」
エリィによるヴァイスの伝言を聞いてあることに気づいたクルーガーは静かな口調で呟き、シャーリィは意味ありげな笑みを浮かべた。
「”牽制”と”見せしめ”………”牽制”は戦争中エレボニア帝国政府の関係者がクロスベルが匿っている”アルスター”の人達の暗殺の件を含めたクロスベルで何らかの破壊工作や暗躍をさせない為で、”見せしめ”は例え”執行者”のような凄腕の人達がクロスベルに潜入できても、”道化師”のようになるって事だろうね………」
「って事は、”かかし男”達がクロスベルに潜入した時点で”かかし男”達はあのクロスベル皇帝の掌の上で踊っていたって事なのかよ!?」
「ああ………そして恐らく彼もヴァイスハイト陛下から特務支援課が到着するまでに予め潜入した4人の内の誰か一人は絶対に殺害しておく事も命じられていたかもしれないね……」
「………………」
(ほう、中々勘が鋭い娘達だの。)
「やれやれ…………”そっちが本命”だったとは、”西ゼムリア通商会議”の時といい、”六銃士”は俺達やオッサンにとって”天敵”のような連中だな…………――――――確かにクロスベル皇帝からの”警告”は受け取った。じゃあな、Ⅶ組。特務支援課もまたな~。」
エリィの伝言を聞いてトワはヴァイスの目的を推測し、その推測を聞いたアッシュは信じられない表情で声を上げ、真剣な表情で自分を見つめて推測を口にしたアンゼリカに対してセリカは何も答えず黙り込み、その様子を見守っていたハイシェラは口元に笑みを浮かべ、レクター少佐は疲れた表情で溜息を吐いた後残った片手を振りながらその場から去っていった。

「――――――シャロン!」
そしてレクター少佐に続くようにクルーガーも背を向けて去ろうとするとアリサが呼び止めた。
「……いずれ決着をつけるわ。母様や”あの人”――――――そして貴女とも。でも、どんなことになってもこれだけは変わらないと思う――――――私達にとって貴女がどこまでも”シャロン”だっていうことだけは。」
「アリサ…………」
「その”意志”だけはせめて受け止めさせていただきましょう。それでは、Ⅶ組の皆様。……”アリサ”様をよろしくお願いします。」
アリサの決意をガイウスが静かに見守っている中一瞬だけ複雑そうな表情を浮かべたシャロンはアリサ達に背を向けて声をかけた後その場から立ち去り
「シャロン……」
その様子をアリサは心配そうな表情で見守っていた。

その後トワ達はロゼに連絡をとり、特異点に”楔”を打ち込み、トワ達は”精霊の道”を利用してクロスベルを去ることにしたが、その前にロイド達―――特務支援課への挨拶をすることとなった―――
 
 

 
後書き

という訳で予想通り、シャロン達はセリカに一矢も報いる事もできず圧倒されました(そりゃそうだ)なお、次回の話でクロスベル篇が終わった後、その次の話からはリィン達側の話であるノーザンブリア篇になります。ノーザンブリア篇は前、中、後編の3話の予定です。それと私事ですがようやくイース9クリアしました!!フィールド系に関しては8ほどではなかったとはいえ、やはり怪人達の特殊能力のお陰で8よりも面白かったですwそれと9は所々旧作の部分をチラッと見せた上ラスボス撃破後のあのイベントでまさかの展開にマジで!?と驚きましたww9のエンディングの時に果たしてファルコムは10は9よりも面白くできるのか本気で心配しちゃいましたwそれと9をクリアしましたので、今後のバトルの際に9の技も当然出す予定です!特に人形と鷹の登場はホント助かりましたww何せ私の持っているゲームではあまり見かけない貴重な”人形で斬撃使い”と”双剣使い”なのですからwwちなみに9のラスボス撃破の私の最終メンバーは赤の王、白猫、人形です。9は斬撃使いが二人とも使いやすすぎていつもどっちを使うかホント迷いましたww後打撃使いも7、8、セルセタと違って白猫が超使いやすかった為、正直ラスボス戦は全員戦闘させられる事を考えてパーティーのレベルを均等にする為に猛牛を白猫の代わりにアタックメンバーに入れるのがめんどくさかった上、ラスボス戦は全員戦闘じゃない事にガッカリしました(オイッ!)なお、特務支援課登場の時のBGMは零・碧の”Get Over The Barrier! -Roaring Version-”だと思ってください♪ 
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