夢幻水滸伝
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第百二十六話 ドラゴンと陣その十二
「忽ちのうちに身体が消え去る」
「それぞれの陣の力でな」
「その陣が私を護り」
リーは芥川を見据えつつ話した。
「私自身が君を術で攻める」
「それが自分の戦闘スタイルやな」
「そうだ、私の護りは完璧だ」
リーは強い声で言い切った。
「この十絶陣がある限りな」
「ほんまにな、そうして自分の周りを巡ると」
ここで芥川は炎の術をリーに向かって放った、すると。
紅水陣の門がリーの前に来て炎を吸収した、芥川はそれを見て言った。
「何でも吸い込むな」
「陣は私の前を縦横に動きだ」
見ればそれぞれ回転する様に動いている。
「そしてだ」
「近くに来たのは何でも吸い込むな」
「そうする、だからだ」
それ故にというのだ。
「この陣だけで百万の大軍すらだ」
「防げるな」
「敵の攻撃も将兵も吸い込み」
そうしてというのだ。
「その身体を確実に滅ぼす」
「入った奴は皆そうなるな」
「誰でもな、まさに無敵だ」
リーは強い声で言い切った。
「君ですら勝てるものやない」
「そう思うか、けどな」
芥川は断言するリーを見据えつつ言った。
「それはや」
「そうはいかないか」
「そやから自分と闘ってる」
芥川はリーに不敵な笑みで告げた。
「こうしてな」
「今は一進一退だがな」
「五分と五分でな」
「そや、しかしや」
それでもというのだ。
「最後に勝つのは僕や」
「絶対にか」
「負ける筈がないわ」
それこそとだ、リーに言うのだった。
「ちゃんとわかってるからな」
「私をどうすれば倒せるか、か」
「今はその切り札を出す時を伺ってるんや」
「そういうことか」
「今か今かってな、そしてな」
「それはか」
「綾乃ちゃんもや」
シェリルと闘っている彼女もというのだ。
「同じや」
「私には君が勝ち、か」
「シェリルちゃんには綾乃ちゃんが勝つからな」
「ではだ、どうしてそれを破るかをな」
「見せてくれっていうんやな」
「そうだ、是非な」
リーは自身を惑星とするならば衛星の如く自分の周りを回る十絶陣の門達に護られつつ芥川に言った、そうしつつ術を放つがそれは狐に乗る芥川にかわされた。
綾乃はあらゆる種類のドラゴン達を使役するシェリルと闘い続けている、八岐大蛇はそのドラゴン達と戦いつつ自身の主に言った。
「ちょっとな」
「これはしんどいな」
「ずっとこの状況が続いてるが」
「正直言ってな」
「わしだけやと辛い」
「どうもな」
「そこをもうちょっと耐えてな」
綾乃は八つの頭から放つ息と術でドラゴン達と戦う大蛇に告げた。
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