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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十一話 打ち上げの時にその六

「嫌な時代だよ」
「トルコの人にとっては」
「それで二十世紀に入っても」
「戦争負けてばかりだったね」
「バルカン半島とかでね」
 もう集中的に狙われていた。
「それでどんどん弱くなっていってね」
「一次大戦にも負けたね」
「それでいよいよどうにもならなくなって」
 それでだったのだ。
「遂にオスマン=トルコを倒して」
「それでだったね」
「今のトルコになったんだ」
「共和制の」
「領土はかなり小さくなったけれど」
 オスマン=トルコの全盛期から見ればかなりだ、とにかくこの国の全盛期の勢力圏は相当なものだった。
「それでもね」
「生まれ変わって」
「今に至るんだよね」
「トルコは蘇ったね」
「そうなったよ、ケマル=アタチュルクも出て」
 今のトルコの国父と言われる人だ。
「蘇ったんだ、それで二次大戦にはね」
「参戦してなかったね」
「あっ、一応ね」
「参戦してたんだ」
「日本にも宣戦布告してるんだよね」
「そうだったんだ」
 今はじめて知ったことだ、日本がトルコと戦争していたことは。
「実はね」
「そうだったんだね」
「このこと知ってる日本人少ないね」
「というかね」
 この話はだ。
「軍隊向けられてないよね」
「国益考えて連合国の勝利が決定的になって」
 そうしてというのだ。
「形だけ連合国に入ってね」
「日本にもなんだ」
「形だけね」
「宣戦布告していたんだ」
「けれど最初から軍隊動かすつもりなかったし」
 アタクルク君は僕にさらに話してくれた。
「遠いしね、トルコと日本は」
「そうだよね」
「だからもうね」
「戦争しても」
「最初から日本にどうするつもりもなかったんだ」
「そういうことだね」
「だから日本人で知らない人多いんだね」
 日本とトルコが戦争をしていたことをだ。
「戦闘はしていないから」
「あの日本色々な国と戦っていたからね」
「アメリカとかイギリスとか中国とかとね」
「オーストラリアとも戦ってたし」
 そしてオランダともだ。
「最後はソ連も来たし」
「もう世界中って感じだったね」
「気付いたらイタリアともだったし」
「途中で降伏したからね、イタリアは」
「それで連合国になっていたから」
「だから降伏文書書く時もね」
 アメリカ海軍戦艦ミズーリにおいてのことだ。
「その時イタリアの人もいたんだよね」
「連合側にね」
「それでだね」
「トルコもね」
「そうだったんだね」
「悪いことしたかな」
「いいんじゃないかな、というか国益のことだし」
 それで動いたからだ、トルコも。
「それに戦闘もしていないし」
「それならだね」
「いいんじゃないかな、中にはね」
 世界の中にはだ。
「日本に宣戦布告もしていないのに勝ったとかいう国あるし」
「というか当時国なかったとか」
「そうした国もあるしね」
「そうした国と比べたら」
「トルコはね」
 それこそだ。 
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