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妖しきハーレム

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第二章

 屋敷では正妻であるコンスタンツェに迎えられそれから彼女があいする妻達と楽しい時間を過ごした。そうしてだった。
 ある日のことだ、親戚の者が屋敷バロックやロココの頃ならば宮殿と言われるそこに来た時にこう尋ねられた。
「ご本家は男性にはですね」
「はい、興味はありません」 
 アランソは自分より数歳若いオーヒル伯爵に答えた。金髪に奇麗な青い瞳を持つ彼に。この伯爵はスコットランド貴族でアランソの母の縁戚なのだ。
「これまでも今も」
「こえれからも」
「そうです」
「左様ですか」
「もうどうしてもです」
「異性にはですね」
「興味を抱けなくて」
 そうした嗜好でというのだ。
「ですから」
「左様ですか」
「だからこそです」
「養子を迎えられたのですね」
「家は続けなくてはいけないので」
 貴族としてというのだ、皇室や王家もそうだが貴族の家は続けていかねば意味がない。絶えてはならないという考えはアランソも備えているのだ。
「ですから」
「養子の方を迎えられて」
「私の後はです」
「あの方ががですね」
「アランソ家を継ぎます」 
 この家をというのだ。
「そうなります」
「定められた通り」
「ですから憂いはないです」
 家のことはというのだ。
「そうしてです」
「これからもですか」
「彼女達と共にいます」
 コンスタンツェそして妻達と、というのだ。
「そうしてです」
「愛していかれるのですね」
「そうしていきます」
「左様ですか」
「私は女性しか愛せません」
 アランソはどうしてもという口調で述べた。
「といいますか男性を愛そうと思ったことは」
「ありませんか」
「はい」
 そうだとだ、アランソはまた答えた。
「そうしていきます」
「左様ですか」
「それが私の生きる道なので」
 こう言ってだった、アランソは一族の者と後は政治の話をした。これは一族の者の国であるスコットランドのことだった。
 一族の者との話の後アランソは夕食の時となったがその時にコンスタンツェに話した。
「夕食の後は」
「いつもの様にですね」
「ええ、お風呂に入るわ」
「そうしてですね」
「今夜もよ」
 自分の向かい側の席にいる美しい妻に話した。
「いいわね」
「わかりました」
「ただ、今日は」 
 アランソはここでは自分達が座しているテーブルを見回した、大きな長方形で絹のテーブル掛けとキャンドルで飾られているその場所を見回したのだ。 
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