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夢幻水滸伝

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第百二十五話 嵐の中の戦いその四

「敵の数が幾ら多くても」
「勝てるな」
「絶対にや、ほなな」
「いよいよやな」
「接舷や」
 もうその用意は出来ていた、そうしてだった。
 蓬莱はそのまま進んだ、するとその周りにあった台風は無何有郷をその目の中に入れた。これで彼等は嵐から逃れられたが。
 その瞬間に日本の移動要塞である蓬莱が来た、その彼等が。
 無何有郷の傍に来た、そこから接舷してだった。 
 六十万の兵は中里を先頭にして上陸した、そこには日本の星の者達もいた。リーはその彼等を見て言った。
「まさかな」
「ここまでやられるとはね」
「干戈を交えるまでにな」
「見事だと言うべきね」 
 シェリルはそのリーに言った。
「まことに」
「全くだ、だが」
 それでもとだ、リーはシェリルに述べた。
「我々とてやられたままではない」
「ええ、ではね」
「全軍迎撃だ」
 今それを命じるのだった。
「そして私達もだ」
「出陣ね」
「そうする、この状況でも私達の力があれば」
 神星の二人のとだ、リーは言うのだった。
「かなり違う筈だ」
「そうね、なら」
 シェリルはリーのその言葉に頷いた、見れば。
 その身体をオーラが包んでいる、そのオーラは激しく燃えていた。そのオーラの中でリーに答えた。
「私も」
「頼む、その力がな」
「この戦を決めるわね」
「そうなるからな」
 だからこそというのだ。
「共に行こう」
「ええ、今からね」
 二人はその場を後にした、そうしてだった。
 南洋軍四百万は上陸してきた日本軍六十万と対峙した、嵐はまだ吹き荒れているが日本側にはかkらず。
 南洋側を打ち据え続けていた、その状況にアルフィアンは歯噛みしていた。
「考えたもんやな」
「そうやな」
 バイテも苦い顔で腕を組んでいる。
「台風で先にここまで痛めつけてくるとは」
「日本もやるわ」
「ああ、そしてな」
「今からな」
「戦や、それやったら」
「やったるか」
 こう言ってだ、アルフィアンは己の神具である弓矢を構えた。そうしてそのうえでリーからの攻撃命令を待った。
 そのリーは自身の神具である神船に乗り無何有郷上空にいつつ言った。
「全軍攻撃開始」
「わかりました」
 彼の横にいるティンが応えた。
「ではそれがしも」
「行ってくれるか」
「そうします」
 こう言ってだ、そしてだった。
 ティンは神船から飛び降りて軍勢の中に着地してそうして言った。
「さあ、戦おうか」
「ああ、今からな」
 ブッパースウォングが彼に応えた。
「戦おうな」
「そうしような」
「全員でな」
「さて、日本軍は」
 ティンはその彼等を見た、するとだった。
 六十万の軍勢は一斉に突っこんできていた、そうして。
 その先頭にはあの三人がいた、その三人を見てブッパースウォングはティンに対して真剣な顔で述べた。 
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