八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十八話 キャンプファイアーその十四
「凄いよ」
「本当に器の大きな人だったのですね」
「しかも幕末の人なのに政党政治もね」
「考えたのですね」
「議会が出来たその時にね」
これが日本にも必要だと見抜いてだ。
「これだけの柔軟さも凄いよ」
「本当に凄い人ですね」
「だから僕は松下村塾で一番の人ともね」
「思われますか」
「久坂玄瑞さんも凄かったけれど」
残念ながら京都の騒動の中で命を落としている。
「吉田松陰さんも若くしてね」
「安政の大獄で処刑されていますね」
「長州藩じゃないけれど橋本佐内さんもね」
この人も凄い逸材だった。
「沢山の人がいたけれど」
「その中でも」
「たまたま生き残っただけだって人もいるけれど」
だから伊藤さんは実は二流だったというのだ。
「その功績や逸話を見ると」
「凄い人ですか」
「超一流だよ」
そう言っていい人だと思う。
「二流の人がここまで絶対に出来ないから」
「超一流ですね」
「そうした人がいたから」
まさにそのお陰でだ。
「明治日本はあそこまでなったんだ」
「伊藤さんの頑張りがあって」
「東洋のビスマルクと言う人もいるけれど」
ご本人もそう呼ばれたがったらしい。
「柔軟さを見るとね」
「ビスマルクさんは頑固なイメージがありますね」
「実際に頑固だったからね」
鉄血宰相の語源となった演説を見てもだ。
「政党政治についてもね」
「そうしたことをする人ではないですね」
「政党の上に立つ」
そうしたものを超越してだ。
「政治をしようって考えだったね」
「皇帝の下で」
「そうした人だったから」
「柔軟とはですね」
「言えないだろうね、この人も調べたら面白いけれど」
このことは事実でもだ。
「柔軟とはね」
「言えない人ですね」
「通った学校が合わなかったらしくて」
リベラルな考えの学校に入ったらしいけれどどう見ても合わない。
「それでね」
「ああした人になったのですね」
「うん、ただ器は大きかったね」
このことは伊藤さんと同じだった。
「視野も広かったしね」
「だから立派な政治家だったのですね」
「内政も外交もね」
元々外交官だったけれど内政でも社会保障制度の充実や普通選挙の導入等功績も残している。労働争議やカトリックの反発を抑えたうえでそうしていたから締め付けるだけでなく不満を解消させることも考えて実行したのだ。
「凄かったんだ、ただこの人は女好きではなかったよ」
「伊藤さんと違って」
「食欲は旺盛だったけれどね」
こちらはかなりのものだったらしい。
「それでもね」
「政党政治とかは」
「否定的でね」
「柔軟ではなかったのですね」
「かなり保守的だったよ」
保守的なのがいいか悪いかは別にしてだ、日本を見ていると変なリベラルの人達が多いのでリベラルイコール善とは思えない。
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