夢幻水滸伝
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第百二十二話 台湾沖でその九
グレイカスは空船に戻った、そうしてから船に乗って指揮官を務めていたリサールに対してこう語った。
「もう何時でもだよ」
「戦出来る状態か」
「そうだったよ」
こうリサールに話した。
「おいらが見る限りね」
「やっぱりそうか」
リサールはグレイカスの言葉を聞いてその目を鋭くさせて述べた。
「臨戦態勢か」
「もう僕達よりもね」
「意気盛んでか」
「気合も入ってるよ」
「そんな状況か」
「それで周りへの警戒も厳しくてね」
グレイカスはこのことも話した。
「おいらもちょっと油断したら」
「見付かってたか」
「そうなっていたよ」
こう語るのだった。
「ほんまにね」
「自分の空を歩く靴とな」
「姿を消す術も使って」
そうしてというのだ。
「かなり近くまで寄って見て来たけれど」
「わかったんやな」
「うん、僕だからね」
「そこまで出来たな」
「そうして見て来たけれど」
それでもというのだ。
「かなり凄い状況だったよ」
「そうか、強そうか」
「かなりね、ただね」
「ああ、この進路やとな」
日本のとだ、リサールはグレイカスにどうかという顔で述べた。
「こっちには来んわ」
「無何有郷にはね」
「台風の方に行ってるな」
「そうなんだよね」
「どういうことや」
二人と共にいるハウオファもどうかという顔で述べた、彼はいざという時の戦闘要員として乗り込んでいるのだ。
「台風に向かう」
「台風に向かってもね」
「損害受けるだけやが」
「そこが僕もわからないんや」
「そうやな」
「何なんや」
リサールも腕を組みどうかという顔で述べた。
「これは」
「リサールもわからないんや」
「どうもな」
実際にとだ、リサールはグレイカスに答えた。
「読めん」
「そうやねんね」
「棟梁達に話してな」
「日本が何を考えているか」
「見極めてもらうか」
今はというのだ。
「そうしてもらうか」
「僕だとね」
グレイカスはどうかという顔で述べた。
「やっぱりね」
「わからへんか」
「うん、深いところまではね」
「自分そんなアホやないが」
リサールはグレイカスを鋭い目で見て述べた。
「おいらもハウオファもな」
「おらもか」
「そや、しかし今回の日本の意図がわかるか」
「そう言われるとな」
ハウオファも難しい顔で述べた。
「それはな」
「わからんな」
「どうもな」
ハウオファも難しい顔で述べた。
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