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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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才能と素質 中編

 
前書き
短めですが中編です。 

 
(グランバニア城:国王執務室)
リュカSIDE

(ゴンゴン!!)
「どう(バン!!)……ぞ?」
真面目に仕事をしていると激しく扉をノックされ、入室許可の返事に食い気味で突入される昼下がり……皆様は如何お過ごしでしょうか? 私は元気です。

半乱入者の顔ぶれは、何故か泣きじゃくるピエッサと多分状況を理解しきれてないウルフとレクルトの3人だ。
痴情の縺れの修羅場だったら、取り敢えず男2人を殴って3人とも追い出すんだけど、多分違うと思うし男2人は本当に状況を理解してなさそうだから、泣いてるピエッサを宥めて話を聞き出すしか無い。







さて……
大体の事情は理解できた。
メインの話は長いので、困り顔で随伴してきた男2人の事情から話そう。

如何(どう)やらピエッサは(王様)に直接会いたくて、一番コネのある彼氏(レクルト)に面会したが、(王様)に会いたい理由を話してるうちに思いが込み上げてきて泣き出してしまったそうだ。

レクルトも彼女(ピエッサ)(王様)に会いたがってるって事は理解したが、軍人が何の根拠も無く直接王様に民間人を謁見させる訳にもいかず、取り敢えず友人で国家のナンバー2なウルフに話を通したそうな。

そして既に泣いてるピエッサを前に、理由を聞いても訳分からん。
付き添いの彼氏に訳を聞いても、コイツも理解してない頼りになる男。
進退窮まった宰相閣下も困りながらも(王様)の下へと彼女(ピエッサ)を通す事に。

さてさて……
では一体ピエッサに何があったのかを話しましょうか。
事の発端は先日あげた“ドラクエ序曲”だ。

俺はピエッサにあの曲を自分のモノにして良いよと言ったけど、真面目な彼女はそんな事せず……でも良い曲なので世間に広めようと日夜練習をしていたそうな。
それはもう……学校でも。授業の合間に黙々と……

だが、この学校で練習するというのが大問題だったのだ。
と言うのも、彼女の同級生に手癖の悪い奴が居るらしい。
その名も『アイリーン・アウラー』という女性らしい。

彼女はそこそこ可愛く講師受けが頗る良いらしい。
今回……と言うか本日行われている作曲の試験の講師にも凄く贔屓されており、毎回優遇されているそうな。

え、そんなアイリーンが今回の試験で事もあろうか“ドラクエ序曲”を披露したらしい。
しかも自分の作曲と言い張って。
うん、ピエッサの練習を聴いて盗作されたね。

俺個人としては、俺自身も盗作紛いだから強く非難が出来ないのだが、俺作曲と信じて疑わない真面目っ子(ピエッサ)は許せなかったらしく、その場でアイリーンの盗作を非難したのだ。

だが講師に贔屓されているアイリーンは擁護され、反対にピエッサに盗作疑惑をかけられたそうだ。
しかもその際に『学長の姪だからって調子に乗ってるんじゃないのか? 世間では人気者らしいが、それだって相方の才能に乗っかってるだけだろう』とまで言われ、悔しくて腹だたしくて学校から飛び出してきたとの事。

確かに講師の台詞にはむかっ腹がたつ。
盗作の件は強くは言えそうに無いけど、ピエッサの無念を晴らす為にも今から芸高校(芸術高等学校)に向かおうと思う。

「と言う訳で僕はこれから芸高校(芸術高等学校)に行ってくるよ。レクルトは仕事に戻れ……軍には関係ない事柄だからね。ウルフは……来い。後で説明するのも面倒だから、一部始終見ておけ」

「はっ!」「了解っす」
俺はルーラを使う為に執務室のベランダにピエッサとウルフを(いざな)い呪文を唱える。
ホント……ルーラって便利だよね。

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
なんとか後編で終わらせないと…… 
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