八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十七話 イタワッチさんの好きなものその六
「穏やかだったんだよ」
「むしろ殆どなかったのね」
「うん、あと板垣退助さんは」
ここでこの人にクローズアップを当てた。
「漫画とかじゃ同じ土佐藩で龍馬さんと会っていたりするけれど」
「それで龍馬さん馬鹿にしたりするのね」
「上士としてね」
身分が低い龍馬さんのことをだ。
「けれど実際は合ってないんだ」
「あれっ、そうだったの」
「龍馬さんが生きている間はね」
「同じ土佐藩でも」
「龍馬さん後藤さんとは会ってるけれど」
それでもだ。
「板垣さんとはね」
「会ったことなかったの」
「けれど親戚同士で」
「親戚だったの」
「うん、それでお互いに凄い奴がいるってね」
上士、下士に分かれていてもだ。
「聞いていて認め合っていたそうだよ」
「敵同士じゃなかったのね」
「会ってもないしね」
「それは意外ね」
「それで龍馬さんの脱藩に板垣さんは手助けしたり」
「そんなこともしてたの」
「この二人はそうした関係だったんだ」
僕も二人が会ったことがなかったと聞いて驚いた。
「実は」
「物凄く意外ね」
「そうだよね、けれど本当のことでね」
「お互い面識はなかったのね」
「そうだったんだ、どうも龍馬さんを主人公にすると」
そうした漫画や小説はだ。
「土佐藩の上の人達を悪く書くんだよね」
「その傾向強いのね」
「司馬遼太郎さんにしても」
この人が最初に龍馬さんを主人公にした作品を書いたと思う。
「出来るだけ公平に書く人だったけれど」
「それでもなの」
「容堂さんを悪く書いて」
そのせいでだ。
「子孫の人から抗議が来たらしいよ」
「悪く書き過ぎだって」
「そうだったみたいだよ」
「そうだったの」
「それで子孫の人漫画にも抗議してたんだ」
「容堂さんを悪く書き過ぎって」
「確かに傲岸不遜で大酒飲みで」
短所も確かにある人だった。
「身分が低い人は侮っていたけれど」
「それでもなのね」
「名君だったことは事実でね、間違っても粗相をした領民を切り捨てさせたりとか」
そうした場面を描いた漫画もあった。
「絶対にしなかったから」
「そこまで酷くなかったのね」
「殴らせたかも知れないけれど」
領民が自分の前で粗相をしたらだ。
「それで懲らしめとしてね」
「終わりだったのね」
「それ位だった筈だよ、江戸時代にそんなことしたら」
領民が粗相をした位で切ったりというか刀を抜くとだ。
「藩はお取り潰しだよ」
「そうなっていたのね」
「江戸市中で刀抜いたら切腹なのに」
それだけでだ。
「他の藩でも殿様がそんなことしたらね」
「その藩はお取り潰しなのね」
「手討ちとかも殆どなかったし」
「それじゃあ」
「容堂さん達は龍馬さんが主人公の場合はね」
「かなり脚色されるのね」
「悪役にね」
それも過度にだ。
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