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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十七話 イタワッチさんの好きなものその四

「身分の低い相手は大目に見てやれってね」
「そんな考えだったのね」
「江戸市中は特にそうだったし」
「っていうか江戸市中で刀抜いたら」
「切腹だったよ」
 勿論江戸城の中でもだ。
「その時点でね」
「じゃあ怒る位で」
「精々ね、けれど武士の間では」
「身分が厳しかったのよね」
「あそこはね」
「それで志士の人達は」
「あの人達は多くが郷士でね」
 下士ともいった、とにかく武士でも身分の低い人達だったのだ。
「そのリーダーは武市半平太さんでも」
「この人もよね」
「身分は下士では上だったけれど」
「郷士は郷士ね」
「このことは事実だったから」
「対立していたのね」
「うん、それでその頂点にお殿様がいて」
 この人は誰かというと。
「山内容堂さんでね」
「どっかのクラスで悪者として紹介されてなかた?」
「あれね、坂本龍馬の視点から見たら」
「そうなるのね」
「あの人も下士だったから」
 明智光秀の流れの人だったとかいうけれど実際は豪商でそのお金でかなり裕福な家庭だったことは間違いない。
「それでね」
「上士の人と仲悪かったの」
「ある漫画じゃもう宿敵で」
「その人達と」
「その容堂さんとか他にも」
 僕はある漫画で龍馬さんの敵だったその人の話をした。
「後藤象二郎さんとかね」
「幕末、維新の功労者よね」
「その一人なんだけれど」
「上士だったから」
「滅茶苦茶酷い奴に描かれてたよ」
「それで容堂さんもなのね」
「そのクラス絶対に龍馬さんの側に立ってたと思うから」
 それか武市さんの方にだ。
「だとしたらね」
「もうなのね」
「うん、容堂さんもね」
「悪者扱いなのね」
「実際はその人の立場もあったよ」
 容堂さんには容堂さんのだ。
「後藤さんもね」
「そうなのね」
「それで土佐藩はね」
「武士の間の対立があって」
「死相的なそれもね」
「どっちも勤皇じゃないの?」
「そこが複雑で。土佐藩の上の人達は」
 山内容堂を頂点とした人達はだ。
「勤皇とね、幕府も大事にしたいって」
「そんな気持ちもあったの」
「その両方が混ざってる感じで」
「郷士の人達と違ったのね」
「そうだったんだ」
「複雑ね」
「容堂さんは幕府を存続させたいって考えていたから」
 勤皇も頭にあったけれどだ。
「その立場からね」
「郷士の人達を弾圧したのね」
「完全な勤皇の人も多かったからね」
「それで容堂さんは悪者で」
「もう後藤さんなんて」
「悪者の中の悪者ね」
「そんな風に描かれることもあるんだ」
 あくまで作品による。
「そこは」
「そうなのね」
 イタワッチさんもここまで聞いて納得した。 
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