夢幻水滸伝
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第百二十一話 台風その四
「その時の策もや」
「考えているか」
「既にな、台風を潰そうとしたり避けようとしても」
南洋側が気付いてだ、そうしようとしてもというのだ。
「既にや」
「考えているのだな」
「その時は僕と中里、そして綾乃ちゃんにな」
「私達でか」
「星のモンが先頭切って敵の移動要塞に切り込む」
そうするというのだ。
「そうして戦う、もっともこれはな」
「台風を使わずともだな」
「最初からそのつもりやがな」
「我々の長所を使うか」
「そや、星のモンはこっちの方が多いからな」
それだけにというのだ。
「それを使ってな」
「敵の大軍に向かうのだな」
「そういうことや、敵は四百万」
芥川は南洋の軍勢の数の話を日毬にもした。
「こっちは六十万やからな」
「どうにもならないまでに数が開いてるとよ」
美鈴がどうかという顔で述べた。
「それをどうするかたいが」
「それで台風も考えたしな」
「それを見抜かれた時もたいな」
「考えてな」
そしてというのだ。
「それがや」
「私達星のモンの力とね」
「そういうこっちゃ、自分にも頼むで」
「わかっちょるとよ、しかし」
「しかし?」
「向こうの星のモンに向かうモンと軍勢に向かうモンを」
美鈴は芥川に鼠のその小さな目を向けつつ話していった。
「分けんとよ」
「あかんな」
「そこは考えているたいか」
「勿論や」
「そうたいか」
「今回リーには僕が向かって」
芥川は美鈴に具体的に話した。
「シェリルちゃんには綾乃ちゃんに行ってもらいたい」
「うちやね」
「そや、綾乃ちゃんには八岐大蛇がある」
この神具がというのだ。
「ドラゴンにはドラゴンや」
「そやからやね」
「あの巨体と八つの頭があれば」
それでというのだ。
「シェリルちゃんのドラゴン達にも勝てる」
「あの子確かに強いし」
綾乃は芥川に応え大蛇のことを話した。
「もう一体だけで」
「戦を決められるやろ」
「ほんまその域の強さや」
「それをや」
「シェリルちゃんにぶつけるんやね」
「シェリルちゃんには綾乃ちゃん自身でな」
こうも言うのだった。
「戦ってもらうで」
「うち自身もやね」
「そや、その術とな」
「三種の神器の力やね」
「その二つを使ってな」
そのうえでというのだ。
「戦ってな」
「勝つんやね」
「そや、絶対にや」
それこそというのだ。
「勝ってもらう、勝った後は」
「返す刀でやね」
「敵軍や他の星のモンに向かってもらう、僕もな」
「リー君との勝負は」
「絶対に勝ってや」
そのうえでというのだ。
「敵軍や他の星のモンに向かうわ」
「そうするんやね」
「そしてな」
芥川はさらに話した。
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