| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

今年も同じく

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五章

「忌まわしいもね」
「全くだな」
「パリーグのチームがとにかく強くて」 
 そしてというのだ。
「その中でもね」
「ソフトバンクがな」
「福岡ね」
「何か交流戦滅茶苦茶強いんだよな」
「シリーズでもね」
「ペナントでも強いし」
 二人でパリーグの強豪チームの話もした。
「お金はあるし若手の育成もしていて」
「補強もするし」
「あれはないよな」
「何ていうかね」
 千佳はそのチームについてどうかという顔で述べた。
「シリーズに出たらね」
「あのチームと戦う可能性高いんだよな」
「他のチームの可能性もあるけれど」
 それでもというのだ。
「やっぱり一番可能性が高いのはね」
「あのチームだな」
「怪我人が多くてもよ」
 それでもというのだ。
「あれだけ強かったし」
「リーグ優勝出来なくてもな」
「クライマックス勝って」
「シリーズもああだったな」
「痛快だったけれど」
 邪悪巨人が無様に粉砕される、このこと自体はというのだ。
「それでもね」
「あの強さはないよな」
「それで交流戦だとね」
「あのチーム本当に強いな」
「パリーグの他のチームも強いけれど」
 それでもというのだ。
「あのチームが特によね」
「只でさえ戦力あるのにな」
「打線も投手陣もね」
「その人材どんどん繰り出してきてな」
「とんでもない強さよね」
「監督の采配も悪くないな」
「工藤さんね、あのチームと交流戦でまたあたるのね」 
 千佳は腕を組んで難しい顔で述べた。
「嫌になるわ」
「僕もだよ、けれどな」
「それでもよね」
「交流戦で勝たないとな」
「リーグ優勝も難しいし」
「日本一もだよ」
「そうなのよね、けれどね」 
 千佳は交流戦についてはぼやき続けた、そればかりだった。
「交流戦はね」
「どうもだよな」
「阪神もそうよね」
「阪神も苦手だからな」
 どうしてもというのだ。
「あまりしたくないな」
「セリーグ全体がそうだけれどね」
「何か巨人が異常に強いシーズンもあったけれどな」 
 その時日本そして野球は闇に包まれた。
「そうした時以外はな」
「まずパリーグが強いわね」
「けれど交流戦にも勝っていかないとな」
「駄目よね」
「本当にな」
 二人でぼやきつつ話した。
「何とか勝たないと」
「今年こそはね」
「負けるなよ、巨人以上には」
「わかってるわよ、巨人が最下位だったらね」
「交流戦でな」
「もっと言えばペナントでね」
 こちらでもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧