八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十六話 オートバイ仲間その二
「相手がいないと」
「キャンプファイアーは出られないのね」
「それでも観ているだけで楽しいから」
去年実際にそうだった。
「だからね」
「それで充分なのね」
「自分が充分、満足だって思えば」
それでとだ、僕はイタワッチさんにこうも話した。
「それでいいと思うよ」
「自分がどうかね」
「例え権力を持って酒池肉林でも」
「北の将軍様みたいに?」
「それでも不満で一杯ならね」
どうもそうした人らしい、先代の人は尚更だったという。
「周りが敵だらけだと思ったりして」
「じゃあ独裁政治止めたら?」
「まあ止められないだろうね」
あの鎖国と弾圧政治を止めたらそれこそ自分の身が危ない、地上の楽園だとか国民を騙していたことがばれてだ。
「それは」
「それは無理なのね」
「うん、けれどね」
それでもだ。
「実際そんな生活でもね」
「不満の人もいて」
「不満って思えば」
「それでよくないっていうのね」
「逆にお金がなくても」
それが某ゲームのキングボンビーに憑かれてるんじゃないかという状況でもだ。
「自分が満足してるならね」
「いいのね」
「幸せだっていうから」
それでだ。
「キャンプファイアーもね」
「それもなのね」
「僕は観ているだけでね」
本当にそれだけでだ。
「いいから」
「そうなのね」
「皆が楽しむのを観て」
キャンプファイアーでダンスをカップルで踊りながらだ。
「音楽も聴いて炎も観て」
「キャンプファイアーの」
「それで楽しむから」
「いいのね」
「充分だよ、文化祭は最初から最後まで楽しいし」
「その最後の最後も」
「それだったらね」
キャンプファイアーも満足出来ればだ。
「充分だよ」
「そういうことね」
「イタワッチさん達は踊ってね」
そうしてとだ、僕は本人に話した。
「楽しめばいいよ」
「そして義和は義和で」
「楽しむよ、お酒も出るしね」
「お酒もなの」
「そう、物凄く出るから」
八条グループの偉い人達がプレゼントしてくれる、特に総帥さんが何でもない感じでポケットマネーから出してくれる。
「飲むから」
「お酒は欠かせないわね」
「三年の人で」
僕は学園内のある人をここで思い出した。
「ロシアのトルストヤさんって人がかなり飲むそうだよ」
「トルストイじゃないの」
「ロシア人の苗字は性別によって変わるんだ」
このことが大きな特徴だ。
「だから男の人だとトルストイで」
「女の人だとトルストヤになるのね」
「そうなんだ、名前はエカチェリーナっていって」
「あの女帝さんの」
「クールビューディーな外見だけれど素顔は優しい人らしいよ」
名前を聞くと時として思い切った厳しいことをしそうでもだ。
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