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虹を掛けるために

作者:桜紅月音
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2.生徒会長

「…十川君ってAqoursのマネージャーをやってて、小原鞠莉さんが婚約者で合ってますか?」

朝早くに菜々さんに呼ばれて、生徒会長室に来ると菜々さんにそう言われた。
どうやって…そんな情報を入手したんだ。

「十川君の転校届にそう書いてありました」

あの野郎(鞠莉)か…。
そういう僕だっていきなり言われたから仕方ないけどさ…。

「なんとなく分かった気がするよ」

「それで…私達を指導してくれますか?」

菜々さんは、頬を赤く染めてそう言ってきた。

「とりあえず…説明をしてくれ… 」




***

あの後、菜々さんから、僕がこの学校に転校した理由を聞いて、鞠莉に電話をかけたら

「あれっ?言ってなかったっけ?」

と明らかに誤魔化した感じで言ってたから、今度沼津に帰った時にね。
それは、さておきとして…

「って事は、菜々さんもスクールアイドルって事…?」

「はい!菜々ではなくせつ菜としてアイドルやってます!」

せつ菜…なんか聞いたことのある名前だな。

「そうなんだ。とりあえず、菜々さん達を指導していけばいいんだね」

「はい!宜しくお願いします!」

「せつ菜さん、そろそろ練習の時間ですよ〜」

菜々さんと話していたら、誰かが生徒会長室に入ってきた。

「しずくさん、彼が新しくマネージャーになってくれる月君です」

菜々さんがそう言って、入ってきた人に説明する。
そうか、彼女もスクールアイドルなのかな。

「そうなんですか!私は、桜坂しずくです」

「どうも、十川月です。虹が咲スクールアイドルのマネージャーになる事になりました」

「ふふ、なんだか面白い人ですね」

初見に人に笑われた。
えっ…そんなに面白かったの?

「そうなんですよ!月君、とっても面白くて楽しいです」

菜々さんまで…。

「そろそろ行きましょう。みなさん待ってるので」

と桜坂さんが生徒会長室から出て行く。

「私達も移動しましょう」

「分かりました。菜々さん」

「菜々さんじゃなくて、せつ菜でいいですよ」

「確かに…呼び捨ての方がいいよね」

「では、いきましょう」

とせつ菜は、桜咲さんの後を追うようにして出て行く。
そして、僕は彼女の後を追って出て行く。

そして、せつ菜に着いて行く途中、廊下を歩いていくんだけど、その途中、昨日みたいに騒いでいる生徒がかなりいた。


「で、スクールアイドルの部室ってどこにあるの?」

「部室は、部室棟と校舎と別れているので、部室棟に向かってますよ」

「そうなんだ」



***

「では、先に私達が入るので、呼んだら入ってきてください」

「分かった」

と桜坂さんとせつ菜は、部室へと入っていく。
そして、部室が騒がしくなって

「入って来てください!」

せつ菜に呼ばれて、僕は部室へと入るのだった。 
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