夢幻水滸伝
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第百二十話 移動要塞その一
第百二十話 移動要塞
平城京での会議が終わり日本の面々は都に戻った、そうすると綾乃は早速中里と芥川を御所の謁見の間において言った。
「ほんまに太宰君と喜久子ちゃんの件やけど」
「どうするかやな」
「二人を戦でどうするか」
「それやね、二人共連れて行くか」
それか、と言うのだった。
「どちらかを残して内政してもらうか」
「それな」
「どないするかやな」
「うちも正直迷ってるわ、二人共戦の経験ないし」
それにというのだ。
「生粋の文官やし」
「術は使えてもな」
中里も言ってきた。
「それでもな」
「そやね、戦は未経験やし」
「その二人を戦に連れて行くべきか」
「難しいところやね」
「こう言うたら日本の星の奴は結構戦に加わってない奴多いけどな」
中里はここで志賀達のことも言及した。
「どうした連中も連れて行くしな」
「それはな」
決まっているとだ、芥川が中里の今の言葉に応えた。
「もうな」
「決まってるな」
「そや、連中も術でな」
「戦ってもらうな」
「そや、そう言うとな」
「太宰と喜久子ちゃんもな」
「戦に参加せん理由はない」
他の戦に参加したことのない星の者達も参戦するならというのだ。
「特にな、とにかく日本は覇権争う勢力やと一番小さい」
「軍の規模も国力もな」
「それでどうして勝つかっていうとや」
「星のモンで勝つ、やな」
「この長所を活かしてな、そやからな」
それでというのだ。
「ここは星のモンは一人でも多く欲しい」
「術使えるだけでもちゃうしな」
「それでや、ただな」
芥川は中里にさらに話した。
「内政もな」
「どうするかやな」
「覇権争う他の勢力はもうな」
「留守の間はそれぞれの勢力の官吏に任せてるな」
「統治の仕組み整えてるからな」
「それでやな」
「そや、中国もアメリカも南洋もな」
こうした諸勢力はというのだ。
「アレンカールのとこの中南米とアフリカの連合もな」
「それなりの仕組み整えてるな」
「そやからな」
それでというのだ。
「戦に出ててもな」
「暫くの間はやっていけるな」
「そや、星のモンが全員出陣してもな」
「そうなるか、けどそれ言うたら」
中里は芥川の話をここまで聞いて述べた。
「統治の仕組みについてな」
「日本もか」
「というかうちはな」
即ち日本はというのだ。
「一番やろ」
「ああ、太宰は統治の仕組みも整えててな」
「それでや」
「ここはか」
「その仕組みに任せてな」
自分達がいない間の内政はというのだ。
「それで出陣も出来んか」
「太宰か喜久子ちゃんに留守任せんでも」
「それでもやな」
「内政出来るやろ、ほなな」
「二人共か」
「参戦してもらって」
そしてというのだ。
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