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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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救ってみせる!

ピーーーーーーー!!
後半開始のホイッスルが鳴り響く。

真帝国学園からのキックオフ。
佐久間くんが不動くんにパス渡し、攻め込んでくる。

「さあ、後半戦もせいぜい楽しませてくれよ?」

不動くんはそう言うと強引に突破を仕掛ける。

「行かせるか!」

黒薔薇くんがブロックを仕掛け、不動くんのドリブルを阻止しボールを弾くが
そのボールを倉崎くんが拾い攻め込む。

「佐久間さん!」

倉崎くんのパスは私たちに頭上を越えオフサイドのギリギリの所で佐久間くんが受け取る。

「見せてやるよ鬼道…俺はお前を超えたんだ!!」

ピューィィィィ!!

佐久間くんが指笛を吹くと同時に鬼道くんが叫ぶ。

「佐久間!!やめろー!!」

鬼道くんの言葉は佐久間くんには届かず
地面から赤色のペンギンが現れる。

「赤色のペンギン…!?」

円堂くんも驚いたような表情を浮かべるが、鬼道くんの叫びを耳にして
ただの皇帝ペンギンじゃないと察し構える。

「皇帝ペンギン…1号…!!」

佐久間くんがそう言い放つと現れたペンギン達は佐久間くんの身体を傷付け
利き足の右足に齧り付いていく。

「ぐぅ…うおおおおおっっー!!」

佐久間くんから放たれた皇帝ペンギン1号は
そのまま一直線に円堂くんが守るゴールに襲い掛かる。

「止める…!!」

グググッ…と大きく身体を捻りありったけの全力の技を繰り出す。

「マジン・ザ・ハンド改!!」

進化したマジン・ザ・ハンドで皇帝ペンギン1号の威力を抑えていくが
円堂くんが苦痛の表情に変わって行く。

「ぐ…っ…!腕が…っ!」

押さえ込んでいた筈のマジン・ザ・ハンドだったが徐々に押され始め
遂に魔神が消え去りボールごと円堂くんがゴールに吹き飛ばされる。

「ぐあああああああっっ!!」

0対2
真帝国学園に追加点を奪われてしまった。

「ふはははは!見たか鬼道!俺はお前を超え…」

佐久間くんが突如苦痛の表情に変わりうずくまる。

「うっ…ぐぅっ…ああああああっ!!」

「佐久間!!」

そんな佐久間くんに近付き手を差し伸べる鬼道くんの手を
佐久間くんは無情にも払う。

「触るなぁぁっ!」

「佐久間!何故あの技を使った!あの技は…!」

「禁断の技…だろ?だったら何だ?そんなに俺が怖いか?」

「違う!!あの技は使う者へのリスクが大き過ぎる!お前も解っているだろう!!」

佐久間くんはその言葉を無視するかのように立ち上がり背を向け言い放つ。

「敗者に存在価値はない…。勝利の為なら俺は何度でも皇帝ペンギン1号を打つ!」

佐久間くんの言葉に鬼道くんは何故わからないんだと
言うかのように悔しそうに唇を噛みしめる。

私は吹き飛ばされた円堂くんの元に駆け寄る。

「大丈夫円堂くん!?」

「っ…、ああ…大丈夫だ。…ぐっ…!」

円堂くんは腕を抑え、心配させまいと笑いかける。

「円堂…あのシュートが放たれたらもう受けるな」

「鬼道くん…源田くんもだったけど禁断の技って…」

私の問いに鬼道くんは答える。

「皇帝ペンギン1号とビーストファングは使う度に身体中の筋肉が破壊される悪魔の技だ…。1試合に2回も打てば身体はもう限界だ。恐らく3回目には…」

「二度とサッカーで出来なくなる…」

「何もお前が止められないから言っているわけではない。仮に止められたとしてもダメージがでかい。今のシュートでもその反動だ。流石のお前でも何回も受ければタダでは済まない」

「…っ、だけど!」

鬼道くんは円堂くんに手を差し伸べ、立ち上がらせる。

「俺が…俺が彼奴らを救ってみせる…」

鬼道くんはそう言うと佐久間くん、源田くんに視線を送った。





ピーーーーーーーー!!

ボールは黒薔薇くん、アツヤくん、染岡くんで繋いでいき攻め込んで行く。

「染岡…あれ使うか?」

そう呟いたアツヤくん、顔は悪戯小僧の様にニヤッとする。

「へっ…見せてやるか俺らの力を!」

黒薔薇くんはその様子を見て話しかけた。

「何か策でもあるのか?」

「つまりはだ。彼奴に技を打たせなきゃいいんだろ?任せろ!」

アツヤくんはそう黒薔薇くんに言うと前線を駆け上がって行く。
倉崎くんもアツヤくんのスピードに翻弄され抜かれる。

「ふっ…流石雷門だ…!」

倉崎くん…、彼だけはこの試合違う見方をしている気がする。
しかも私は見た。源田くん、佐久間くんが放った禁断の技を見た瞬間表情が曇ったのを。

「もしかして倉崎くんは禁断の技のことを知らなかった…?」

他の選手は知っていたかの様に無反応。
どう言うことなんだろうか…。

「行くぜアツヤ!!」

「しくじんなよ染岡ぁぁっ!」

染岡くんはワイバーンを出現させ、上空へとシュートを放つ。
そのシュートに合わせアツヤくんが回転しながらエターナルブリザードを放つ。

「「ワイバーン!!ブリザードォォォォッ!!」」

ドゴオオオオオオッッ!!

「な、何!?」

ワイバーンクラッシュにタイミングを合わせていた源田くんはシュートチェインに
タイミングを狂わされビーストファングを発動できず、源田くんの横にシュートが突き刺さる。

ピーーーーーーー!!

1対2

「「しゃあああっ!」」

あの2人が協力して合体技を打つなんて…!
見事な連携により、禁断の技を発動させずにゴールを奪う事に成功した。


「凄い…本当に凄いよ雷門。僕は…僕は…本当に見て見ぬふりでいいのか?」


ピーーーーーーー!!

「くっ…俺らが失点?あり得ないだろお前ら!!佐久間!皇帝ペンギン1号だ!もう一度打て!」

佐久間くんへとボールが渡りまたシュートの態勢を取る。

「やめろ佐久間ぁぁっ!!」

「皇帝ペンギン1号…!!」

指笛を吹く瞬間、染岡くんがスライディングでボールを奪う。

「させねぇぇ!!」

ボールを奪う事に成功した、染岡くんだがその瞬間。
不動くんのスライディングが染岡くんを襲った。

「おーらよっと…!!」

ガシュ…!!

「ぐああああああっ!!」

ピーーーーー!

「染岡…くん?染岡くん!」

「「「染岡!!」」」

「ぐ…ああああっ!!」

不動くんはイエローカード。
レッドが出ないあたり、審判も向こう側…か。

「染岡!」

「くっ…情けねぇ…。すまねぇなアツヤ…」

「…っ。…お前は大人しくベンチに下がりやがれ…。…俺に任せろ」

「……ああ。」

out 染岡 in一之瀬

「頼んだぜ一之瀬…!」

「染岡…ああ!」

ピーーーーーー!

代わった一之瀬くんがそのままパスを出しボールを私が受け取る。

私はドリブルしながら、相手を抜き去って行く。

「私も…みんなを救いたい!」

私はゴール前に来るとボールに集中し、ボールが核となり上空に波紋を放ちながら浮かび上がる。

「源田くんがお兄ちゃんを救ってくれた様に今度は私が源田くんを救う!!」

私は上空へと飛び上がり手を合わせ指を絡める。
私の後ろには天使が現れ、そして…涙が落ちる。

その涙がボールに落ち、更なる波紋を起こして行く。
天使の羽の羽ばたきの音と共にボールを両足で相手ゴールに向けて打ち込む。

「エンジェルティアー!!」

「ビーストファングでは届かない…っ!」

ピーーーーーーー!!

2対2
私の新技エンジェルティアーがゴールを奪い同点に追い付いた。

「天空橋特訓した甲斐があったな!」

黒薔薇くんとハイタッチを交わし喜びに浸る。

「でも、まだ同点…気を引き締めなきゃ!」




その後何とか佐久間くんへのパスを凌いでいた私たちだったけど、
不動くんにより佐久間くんへボールが渡ってしまう。

「ジャッジスルー2!!」

「ぐあああっ!」

鬼道くんが不動くんに強力な技を喰らい吹き飛ばされる。
…勿論ホイッスルは鳴らない。

「さあやれ佐久間!!」

受け取った佐久間くんは指笛を吹きペンギンを呼び出す。
再び現れたペンギンは佐久間くんを傷つけ、足に噛み付く。

「皇帝ペンギン1号!!うあああああっっ!!」

シュートを打ったのと同時に佐久間くんの苦痛の声が響く。

「佐久間ーーーーーー!!」

鬼道くんも先程のダメージがある中でボールに向かい走る。

「間に合わない…!」

円堂くんは覚悟した様に構えた時だった。

ギュルルルルルル!! ガシュッ!!

「ぐわあああああっ!!」

ボールを身体で受け、円堂くんの前まで選手が飛ばされて来た。

「お、お前…!大丈夫か!!」

円堂が声を掛ける。
シュートを身を挺して守ったのは倉崎くんだった。

「へへ…、雷門の熱さが移っちゃったかな…。あんなサッカーは僕はしたくない…、円堂さんと同じで楽しいサッカーが好きなんです…」

「倉崎…お前…」

鬼道くんも倉崎くんに駆け寄り話す。

「倉崎…」

「そんな顔しないでくださいよ…。でも、やっぱり雷門凄かったなぁ…、鬼道さんと戦えたのも嬉しかった…」

「すぐ担架が来る」

担架が来て倉崎くんは乗せられる。

「ぐっ…、でも今度は同じチームで戦ってみたいな…憧れの人達と…」

「ああ。今度は一緒にサッカーしよう」

鬼道くんのその言葉を聞いて倉崎くんは嬉しそうな顔をしながら、意識を失い担架で運ばれていった。





「どいつもこいつも使えない奴ばかり居やがって!!」

不動くんがそう叫び、試合が開始される。

ゴールキックから。
円堂くんは私にパスを出し駆け上がって行く。

「一之瀬くん!」

一之瀬くんがパスを受け取るとフィールドの魔術師の本領発揮だ。
華麗に2人抜き去ると、ひとりワンツーで更に1人抜き去る。

「す、凄い…!」

同じMFとして憧れるほどのテクニック。

「染岡の意思も引き継いでいるからね!」

一之瀬くんはそしてセンタリングをあげる。

「アツヤ!」

アツヤくんは上空へと大きくジャンプすると、そのままボールを挟み回転を加える。

「吹き荒れろ……!エターナルブリザードV2ゥゥゥッ!!」

ゴオオオオオオッ!!

「ぐあああああっ!!」

源田くんもアツヤくんのスピードとシュートの威力に対応出来ずにボールと共にゴールに突き刺さった。
そして…。

ピッ!ピッ!ピーーーーーーー!!

3対2
雷門の勝利 
 

 
後書き
アツヤ「染岡…やったぜ」 
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