八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十四話 歌の後でその十二
「けれどね」
「寒いのね、冬は」
「うん、あとね」
「あと?」
「その独特の風が」
僕はテレサさんにその風についてさらに話した。
「阪神にもね」
「悪いのね」
「昔は阪神のここぞって時は」
僕の主観ではそう思える。
「逆風で」
「相手チームのチャンスには」
「追い風になって」
「阪神を負けさせていたのね」
「もう阪神は」
それこそだった。
「阪神の敗北につながることは」
「多いのね」
「甲子園にいても」
本拠地なのにだ。
「負けに負けて」
「特にカープに」
「そうなっていてね」
六甲の風もその原因になっていてだ。
「ずっと思う様に勝てなかったんだ」
「ここぞって時に負けたのね」
「毎年ね」
「というか甲子園って魔物いるでしょ」
「間違いなくね、ケンタッキーのおじさんもね」
この人までいる。
「あと毎年夏の暑い時に甲子園使えないし」
「高校野球で」
「春はいいけれど」
シーズンでないからだ。
「それはいいけれど」
「それでも」
「そう、夏はね」
「高校野球で使えなくなって」
「その六甲の風もあって」
阪神の悪い風に吹いてだ、親父が言うには今の黄金時代が来るまで本拠地の風なのに阪神を助けてくれなかったという。
「そしてね」
「阪神は勝てなかったのね」
「そうだったんだ」
「六甲の風も良し悪しね」
「そうだね、今はね」
六甲の風はだ。
「阪神に貢献してくれているけれど」
「その勝利に」
「昔はね」
「敵を助けるばかりで」
「こっちが地の利として使おうとしても」
その風を上手に利用しようとしてもだ。
「それが裏目に出て」
「失敗していたのね」
「うん、常に失敗して」
それでだった。
「そこからね」
「負けていたのね」
「そうだったからね」
「何か祟りみたいね」
「本当に魔物とかケンタッキーのおじさん憑いてるから」
甲子園に常駐している、そして遠征の際は同行してくれる。こんなこともスポーツチームでは阪神だけだろう。
「風もね」
「阪神に不利にしていたの」
「そうだと思うよ」
「何かスポーツのチームに憑くにしては」
「強過ぎるよね」
「私もそのお話前から聞いてたけれど」
関西にいればよく言われる、甲子園に魔物がいるだのカーネル=サンダースの呪いだのそうしたことはだ。
「滅茶苦茶強いわね」
「神戸には寒さも与えるけれど」
「涼しさと美味しいお水もで」
「いいことも多いけれど」
これがだ。
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