八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十三話 隅田川その十一
「誰か結婚したいか」
「そう言われたらね」
「思わないでしょ」
「猛獣と結婚したら」
それこそだ。
「何時ガブリとやられるかわからないから」
「そうでしょ、だからベトナムの女の人も」
「普段はだね」
「おしとやかよ」
「そうなんだね」
「そう、だからダオもね」
「ダオさんも?」
「普通にね」
それこそという口調での返事だった。
「彼氏出来たのよ」
「あっ、そうなんだ」
「合唱部って歌劇部や奏楽部やピアノ部とも関係深いけれど」
「よく一緒に活動するからね」
「それでね、その縁で」
「知り合ったんだ」
「そう、バイオリンの子でね」
この楽器のというのだ。
「さっきお話に出たナブッコの時に」
「知り合ったんだ」
「それからお話してるうちに」
「仲良くなって」
「それでなのよ」
「付き合う様になったんだ」
「体育祭終わった時にダオからね」
こう僕に話してくれた。
「告白して」
「受けてもらってだね」
「今付き合ってるのよ」
僕ににこりと笑って話してくれた。
「だから今本当に幸せよ」
「よかったね」
「ええ、ただ意外でしょ」
「ダオさんが誰かと付き合っていてかな」
「そうでしょ」
「いや、今のお話の流れで」
それでとだ、僕はダオさんに笑顔になって答えた。
「何となくね」
「わかったの」
「そう、そしてね」
「そして?」
「ダオさんも女の子だし。というか人なら誰でも」
「交際相手が出来てもなの」
「不思議じゃないから」
ダオさんに笑顔で話した。
「世の中もうどうにもならない屑でもそうなるじゃない」
「人間として最低な奴が」
「そう、存在自体が害毒で」
残念だけれど世の中こんな奴もいる。
「生きている限り害毒を撒き散らす」
「いいことは一切しないで」
「そんなことする奴もいるけれど」
それでもだ。
「そんな奴でも相手いるからね」
「だからなのね」
「人間外見じゃないし」
心だと思う、正直顔立ちよりも人相で整っていたりする、テレビのコメンテーターで悪い顔が多いのは人相の問題だ。
「性格だけれど」
「性格が悪くて」
それでだ。
「行いも悪い」
「そんな奴でもお付き合い出来るから」
「それこそもう誰でもね」
「誰かとお付き合いしても」
「そう、不思議じゃないよ」
「そうなのね」
「まあ屑と付き合う奴は」
そうした奴もだ。
「同じレベルの」
「屑ね」
「類は友を呼ぶで」
この言葉のままにだ。
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