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おぢばにおかえり

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第五十六話 卒業式の前その十一

 お母さんは私ににこりとして言ってきました。
「教祖様にもお会い出来て」
「嬉しいのね」
「ええ、ずっとお会いしていなかったから」
 だからだというのです。
「嬉しいわ」
「そう思えたら」
「自分も嬉しいし」
 それにというのです。
「千里もよ」
「そうなれるのね」
「そこは気持ち次第だからね」
 それだけで変わるというのです。
「これから考えていってね」
「わかったわ」
 お母さんの言葉に頷くとでした。
 私達は祖霊殿の前に来ました、祖霊殿でも参拝をしてでした。私達はまた廊下を進みますがその途中にでした。
 回廊ひのきしんをしている人達を見て私はお母さんに言いました。
「高校に入る時時々でもね」
「かいろうひのきしんさせてもらってたのね」
「そうだったわ、特に三年生になってから」
 本当にそれからは、でした。
「よくね」
「させてもらっていたのね」
「そうだったわ、あの一年の子がね」
 阿波野君です。
「いさんでいるから」
「ああ、あの奈良の方の」
「そうなの、うちの教会にも来たわよね」
「夏休みね。いい子ね」
 お母さんは笑って私に言ってきました。
「あの子がいさんでるからなのね」
「それを見てね」
 私もでした。
「回廊ひのきしんもお墓地への参拝もね」
「両方なのね」
「させてもらうことが増えたわ」
「そうなのね、あの子と千里と会ったのはいいことね」
「いいことかしら」
「だってそれでいさむ様になったんでしょ」
 それならというのです。 
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