仮面ライダービルド 笑顔絶やさずに
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第二十九章
「楽しくね」
「俺の病院に来たら治療費は考えさせてもらう」
花家も桐生達に告げた。
「それはいざという時に役に立つ筈だ」
「重傷の時は任せろ」
鏡の言葉はここでもしっかりしたものだった。
「俺の手術は失敗しない」
「私を呼べばあらゆる問題も無事に解決する」
壇はこの時も壇だった。
「神だからな」
「また宜しくお願いします」
最後に宝生が挨拶をした。
「一緒に戦っていきましょう」
「それじゃあな」
桐生は仲間達に笑顔で応えた、そして万丈達も彼等に一時の別れの挨拶をして。
今は別れた、その後で内海が言った。
「では私は工場に戻ります」
「それで仕事に戻るんだな」
「仕事が楽しくて仕方ないので」
内海は石動に屈託のない笑顔で答えた。
「ですから戦いがない時は」
「仕事か」
「そちらで頑張ります」
「日本の為にいい鉄造ってくれよ」
「それが私の生きがいです」
最後にこの言葉を残してだった、内海は工場に戻っていった。もう心は既に作業服を楽しそうに着ていた。
氷室も席を立った、彼は席を立つとすぐに仲間達に言った。
「プライベートの電話番号は伝えたな」
「あんたの家と携帯のな」
「どっちも記録したな」
「ああ、それで何かあったらだな」
「すぐに呼んでくれ」
氷室はまだ席に座っている万丈に告げた。
「飛んで来るからな」
「そうか、あんたは飛べないけれどだな」
「その勢いで来るからな」
「そうしてくれるんだな」
「そうだ、だから何時でも呼んでくれ」
「そうさせてもらうな」
是非にとだ、万丈は氷室に応えてだった。
彼は首相秘書としての仕事に戻った、その背中は毅然としたものだった。
猿渡に三羽が声をかけた。
「じゃあ頭」
「俺達も農園に戻りますか」
「そうしますか」
「田畑は生きものだからな」
それでとだ、猿渡は三人に応えた。
「戻ってな」
「はい、畑見ましょう」
「耕して種撒いて肥料もやって」
「それとビニールハウスもチェックして」
「田んぼも見るか、じゃあまたな」
猿渡は美空に声をかけた、だが反応したのは桐生だった。
「今度そっちの畑行っていいか?」
「畑仕事手伝うってのか?」
「いや、美味いものがあったらな」
収穫した作物でというのだ。
「安く売って欲しいと思ってな」
「ちゃんとした値段なら売るからな」
猿渡はこのことについては真面目に答えた。
「それでいいなら何時でも来い」
「そうさせてもらうな」
「じゃあ何かあったら呼んでくれよ」
猿渡はめげずにまた美空に声をかけた。
「いいな」
「ああ、何時でもな」
「お前じゃないけれどな」
「じゃあ誰なんだよ」
「それ位察しろよ、まあ今はこれでな」
桐生に言うとだった、猿渡は席を立ってだった。
そのうえで三羽を連れて店を出た。
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