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八条学園騒動記

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第五百四十二話 朝早くだったのでその二

「捕まったら終わっておったわ」
「最悪ですね」
「それだけわしは危険視されておったしな」
「今でもですね」
「しかし今は違う」
 博士の助手という存在はだ、博士は野上君にさらに話した。
「そこまではな」
「ないですね」
「うむ、だからな」
「僕はお咎めなしなんですね」
「わしには常に助手がいることはな」
「連合中央政府も認めてるんですね」
「日本政府もな」
 博士がいるこの国の政府もというのだ。
「目付と考えておるらしい」
「僕目付ですか」
「代々の助手はな」
「目付って基本何もしてないですよ」
 野上君はこう自覚していた。
「本当に」
「わしが勝手に研究、開発、製造をしてな」
「これ代々の助手の人達もですね」
「皆何もしておらん」
「そうですよね」
「わしの造るものはその時代のオーバーテクノロジーじゃ」 
 博士は言い切った。
「常に数百年数千年先をな」
「いっていますね」
「だからな」
 それでというのだ。
「誰が傍にいても手伝うことも出来ん」
「実際に僕も全くわからないです」
 博士の研究や開発はだ。
「どうやって出来るのか」
「数学の公式でもじゃな」
「博士の公式って」
 それはどういったものかというのだ、野上君は理系であり数学にも詳しいがそれでもそれはどうかというのだ。
「見たことのないものばかりで」
「だから常にな」
「数百年数千年先ですか」
「数学もそうでじゃ」
「僕もわからないんですね」
「野上君は数学も得意じゃな」
「理系ですから」
 勿論大学もそうであった。
「中三の仁志田って教師の授業はわかりませんでしたが」
「教えるのが下手であったか」
「それでそいつの授業は聴かなかったです」
 聞いてもわからなかったからだ。
「ですから自分で勉強していました」
「聞いてわからんとか」
「何しろ授業中にお前の授業はわからないって」
 その様にというのだ。
「生徒に言われましたから」
「本当に教えるのが下手であったか」
「才能ゼロでした」
 人に教えるそれはというのだ。
「それをずっと続けていて」
「改善せんかったか」
「自分がどんな授業しているかもわかっていませんでした」
 そうだったというのだ。
「黒板に向かって喋ってもの書いてるだけで」
「生徒に言わなかったか」
「はい、エックスをどうとか言って後は棒読みで」
 こうした教師はこの時代にもいるのだ、そして公立学校ではこうした無能な教師が淘汰されないのだ。公務員になるからだ。そして公務員であるから生徒に暴力を振るう様な輩でもそれが校内で知られても揉み消されてお咎めなしになる。
「酷かったので」
「聞かずにか」
「独学でして」
 それでというのだ。 
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