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夢幻水滸伝

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第百十五話 恐怖の正義その八

「アメリカのはな」
「ちゃうね」
「もう主砲が連装の砲塔になっててな」
「高い艦橋から指揮執ってるね」
「そうした軍艦になってる」
「そやね」
 綾乃は中里の言葉に頷いた。
「アメリカのは」
「こっちも次第にそんな軍艦にしていってるけどな」
「鉄のな」
「とにかく技術はアメリカや」
「こっちの世界でもって言うべきか」
「そうなってるわ」
「そしてその次に我が国、中国」 
 太宰は今度は中国の棟梁である羅と施を見た、するとこの二人も不敵な笑みを浮かべて彼に応えた。
「南洋となりまして」
「そしてやね」
「中南米と地下世界で」
「それでアフリカやね」
「アフリカは我々の地域で技術的には遅れていますが」
 それでもとだ、太宰は今度はアレンカールを見た。その前に既に南洋のりーとシェリルは見ている。
「しかし」
「それでもやね」
「技術レベルは十九世紀中頃程になっていて」
「そんなに低ないね」
「そうなってきています」
「アレンカール君が内政も頑張って」
「もう皆で必死にやったわよ」
 アレンカール自身もこう言ってきた。
「アフリカはこっちの世界でもね」
「まだまだこれからのとこやってんね」
「そう、資源や人口は豊富で豊かな穀倉地帯になりそうなところもあったけれど」 
 それでもとだ、アレンカールは綾乃にさらに話した。
「けれどね」
「まだまだこれからのとこで」
「それでね」 
 だからだったというのだ。
「本当に内政にはね」
「力を注いだんやね」
「こっちの星の子達にこの世界の人達の力を合わせて」
「それでやね」
「必死に長い時間とお金を注ぎ込んで」
 そうしてというのだ。
「中南米もそうだけれど」
「アフリカもやね」
「部族間の衝突もなくしていってね」
 そちらにも心を砕いてだったというのだ。
「疫病対策もして」
「それでやね」
「その状況までね」
 十九世紀中頃のというのだ、自分達の世界で言う。
「したわ」
「そやねんね」
「学校も沢山作ったしね」
「そのこともええことやね」
「今じゃそうした状況よ」
「お見事だったかと」
 太宰もアレンカールの政について高評価で応えた。
「その為アフリカは見違えるまでによくなり」
「そうしてっていうのね」
「安定して繁栄に向かっています」
「苦労の介があったということね」
「これで太平洋、地下世界と共に統一されれば」
「尚更っていうのね」
「効果的な内政が行われ」
 そうなってというのだ。
「よくなるでしょう」
「そうなることを願っているわ」
「はい、では」
「それで文明レベルの話に戻るが」 
 芥川がここでまた言った。 
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