八条学園騒動記
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第五百四十一話 研究室に戻ってその五
「破壊と殺戮の為にあるのも事実であるな」
「確かにな」
「それは否定出来ないね」
「そして博士はこの二つしか考えていない」
「そういうことだね」
「左様、もっともわしを雇う軍はいるかというと」
こうもだ、博士は話した。
「これまで一つもおらんかった」
「というか博士雇うって軍がいたらな」
どうかとだ、ライゾウは話した。その言葉は真剣なものであり表情も同じであった。それこそという言葉と顔であった。
「その軍かなりいかれてるぜ」
「軍は国が持ってるけれどその国も」
タロは軍を持つそれの話をした。
「博士を雇うとかね」
「ねえよな」
「どれだけ苦しくても」
「博士も無茶苦茶さ見たら」
「滅亡寸前でも雇わないよ」
「左様、どの滅亡寸前の国でもじゃ」
実際にとだ、博士も答えた。
「誰も雇わなかった」
「そりゃな」
「博士が頷く筈ないし」
「博士が国に来たら」
「それだけで大暴れしかねないから」
「おいらだったら絶対に雇わないぜ」
「僕もだよ」
二匹は若し自分が滅亡寸前の国の主ならと考えて話した。
「悪人見たら殺すのはいいにしても」
「それでもな」
「その時に建物とか破壊し尽くして」
「滅亡寸前の国だと余計にまずいことになるからな」
「独裁者とかが自分の宮殿破壊されたら」
「その方が問題だろ」
独裁者の方としてはというのだ。
「もうな」
「私利私欲のみの独裁者とかとんでもない宮殿建てるけれど」
この時代でもあることだ、サハラの腐敗した独裁者等だ。
「そういうの破壊されたら」
「国より大事だろ」
「勿論民衆や軍隊よりも」
「宮殿だろうしな」
自分のものであるそれがというのだ。
「博士北朝鮮の宮殿何度も破壊したんだよな」
「あの国があった頃は」
「もう気の向くままな」
「そうしてたんだよね」
「あれはほんの暇潰しであった」
博士はその時代の自分のことを話した。
「気が向いたらしておった」
「そういうことする人とかな」
「どんな国も雇わないよ」
「軍隊だってな」
「他の組織も」
「企業だってあな」
「博士は遠慮するよ」
そうなるというのだ。
「絶対に」
「本当に災害だからな」
「災害を雇う人とか」
「いる筈がねえな」
「わしはずっとそう言われておってな」
それでというのだ。
「どの軍からも国からも企業からもな」
「雇われなかった」
「やっぱりそうなるね」
「そして気ままに生きておる」
この二百億年の間そうしているというのだ。
「そうしたものと関わらずな」
「敵対はしてもか」
「そうした平和的な関係はないんだね」
「左様、しかしあらためて宇宙から神戸を見ると」
この星をとだ、博士は今度は景色の話をした。
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