八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十話 思わぬ再会からその二
「文化祭の直前にです」
「その時にだね」
「私から言おうと思っても」
それでもというのだ。
「中々勇気を出せないでいますと」
「わかったよ」
僕としてはだ。
「相手の人からだね」
「告白してくれました」
「そうなったんだね」
「はい、それで私も」
「受けたんだね」
「このこともまさかでした」
円香さんはまたこの言葉をお話に出した。
「思いませんでした」
「相手の人も円香さんを好きだって」
「私はそこまでです」
「考えていなかったんだ」
「そうでした」
「それがだね」
「文化祭直前の日に第一校舎の屋上に呼ばれて」
そこにというのだ。
「あちらに」
「あそこね、実はね」
「あそこで告白するとですね」
「その告白が成功するってね」
「言われていますね」
「そうなんだ」
僕はこの話もした。
「実はね」
「そのお話もです」
「聞いたね」
「はい、この前」
「そうだね、それはね」
「実際にですね」
「うん、言われていて」
それでだ。
「相手の人もですね」
「私とですね」
「絶対にお付き合いしたいと思って」
つまり本気だということだ。
「それでだね」
「そのこともわかって」
それでというのだ。
「私は尚更です」
「嬉しかったんだ」
「はい」
まさにという返事だった。
「夢みたいでした」
「本当にそんな展開だね、けれど」
「夢ではないですね」
「そう、そしてね」
「この出会いは」
「どう考えても神様のお仕事だね」
ここまで聞いてこのことをあらためて認識した。
「これは」
「左様ですね」
「円香さんはその人とね」
「お付き合いするべくして」
「ここで再会させてもらったんだよ」
「そうですね、人が会いたいと思っても」
それでもだ。
「限界がありますね」
「そうだよね」
「ですが神様は」
「そこをね」
多くの人をその人達が気付かない間にだ。
「動かしていって」
「巡り合わせてくれるのですね」
「それぞれの人達をね、特にね」
「特に?」
「円香さんの生まれた奈良県の」
まさにその場所だ。
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