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ヘタリア大帝国

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TURN25 アフリカ戦線その八

 イタリン軍が迫るエイリス軍を迎え撃ちにかかる。だが。
 そのエイリス軍を見てイタリン軍は即座に浮き足立ったのだった。
「き、来たブーーーー!」
「エイリス軍が来たブーーー!」
「エイリス軍怖いブーーーー!」
 敵が来たのを見て即座に小豚達が泣きだす。
「逃げるブーーーー!」
「やっつけられるブーーー!」
「し、白旗用意して白旗!」
 イタリアもだ。乗艦の艦橋で泣きだしていた。
「エイリス怖いよ!早く降伏しよう!」
「おい!逃げろ!」
 ロマーノもだ。泣きながらこんな指示を出した。
「エイリスの奴等来たじゃねえかこの野郎!」
「わかってるブーーー!」
「降伏か撤退ブーーー!」
「命だけはお助けブーーー!」
 小豚達だけでなく大豚達もいるが彼等も同じだった。泣き叫びながら逃げようとする。
 しかしその彼等にだ。イタリア妹とロマーノ妹が言うのだった。
「だから大丈夫よ」
「この戦い勝てるから」
「お兄ちゃん達も豚ちゃん達も泣かなくていいからね」
「どっしりと構えてていいのよ」
「け、けれどエイリス軍滅茶苦茶強いよ!」
 イタリアは妹達に対しても泣き言を言う。
「それに怖いよ!幾らイギリスがいなくても!」
「モンゴメリーもイギリスもいないのに何が怖いのよ」
「ヴェネチアーノ兄貴怖がり過ぎよ」
 妹達はそんな兄をやれやれといった顔で見ながら述べるのだった。
「あたし達がいるから大丈夫だって」
「逃げる必要も白旗掲げる必要もないからね」
「そ、そうかなあ」
 妹達にまた言われてだ。イタリアもようやく落ち着いた。
「それじゃあ俺はここにいないと駄目なんだ」
「もういるだけでいいからね」
「戦場にいるだけでね」
「うん、わかったよ」 
 まだ泣きながら言うイタリアだった。頷きはしても。
「俺もここにいるからさ」
「そうそう。それじゃあね」
「エイリスの奴等に雪辱戦を挑むよ」
「方陣を組み敵を迎え撃つぞ」
 ユリウスがここで全軍に告げる。
「いいな、まずは逃げないことだ」
「うう、ユリウスさんもそう言うんだ」
「厳し過ぎるだろこの野郎」
「祖国殿とロマーノ殿も艦隊を方陣にして欲しい」
 ユリウスは自分の祖国達に少しやれやれといった顔で述べた。
「そうしてくれ」
「わかったよ。じゃあ」
「何とかここにいるからな」
 イタリアとロマーノはユリウスの指示に従いそれぞれの艦隊で方陣を組んだ。そのうえでエイリス軍を迎え撃つ。そのエイリス軍はというと。
 目の前のイタリン軍を見てだ。こう言い合うのだった。
「まあな。ちょっと攻撃してな」
「後は降伏勧めるか」
「イタリン軍だからなあ」
「あまり厳しく攻めたら可哀想だしな」
「捕虜にするか」
 彼等もイタリンにはこうした考えだった。そうしてだ。
 イタリン軍への攻撃にかかろうとする。しかし。
 攻撃を仕掛けようとしたその瞬間にだった。彼等の側面からだ。
 突如としてビーム攻撃を受けた。横っ面を叩かれた艦艇が次々に炎に変わっていく。
 その中でだ。彼等はすぐに察したのだった。
「ドクツ軍か!」
「来ているとは聞いていたが!」
「まさか忍んでいたのか!?」
「いや、回り込んでいたのか!」
 彼等は既に知っていた。ドクツ軍の機動力を。
 それでこう考えた。そしてその通りだった。
 ロンメル率いるドクツ軍は一撃を加えてから再びだ。敵の後ろに回り。
 また攻撃を浴びせる。その攻撃も受けてエイリス軍は混乱状態に陥った。
 
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