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ヘタリア大帝国

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TURN25 アフリカ戦線その四

「ちょっと好き過ぎるよ」
「それ位で丁度いいと思うけれど」
「もう宣伝相じゃなくてね」
「百合結構よ。薄い本にでも何にでも書いていいからね」
 まさに余裕だった。最早グレシアにはいい意味でも悪い意味でも迷いはなかった。 
 何はともあれレーティアとムッチリーニの会談はつつがなく終わった。それを受けてだ。
 イタリアはムッチリーニと共にイタリンへの帰路につく。だがその時だ。
 彼はドイツに捕まりだ。こう言われたのだった。
「全く。また負けたそうだな」
「えっ、ドイツもいるんだ」
「当たり前だ。ここはドクツだ」
 ドイツはこの国の中心国家だ。それならだった。
「それでどうして俺がいない」
「うう、そういえばそうだけれど」
「しかし。御前はしっかりしろ」
 ドイツは厳しい顔でイタリアを叱る。
「見ているこっちの方が心配になる」
「御免、次はしっかりするから」
「よし、じゃあ次は頑張れ」
 ドイツもだ。何だかんだでイタリアにこう言う。
「いいな。何かあったらすぐに俺に言え」
「うん、じゃあそうするよ」
「まあこれ位でよかね?」
 二人の間にポーランドがフリカッセを食べながら間に入って来た。
「イタちゃんもしょげかえってるしーー。それ位でええんちゃう?」
「それもそうだがな」
 ドイツもだ。ポーランドの言葉に頷きはした。
 だがそれでもだ。こう言うのだった。
「俺にしてもだ。こいつは目が離せない」
「貴方はもう少しイタリアに厳しくすべきです」
 オーストリアも出て来て言うのだった。
「全く。今回は白旗あげなかっただけましですが」
「そう言うオーストリアもイタリアが心配だと言っていなかったか」
 ドイツはそのオーストリアにも言う。
「海驢作戦の時それを聞いてどう思った」
「イタリアはあまりに弱過ぎます。しかしです」
「しかしだな」
「嫌いではありません」
 オーストリアにしてもそうだった。イタリアのことは嫌いではないのだ。
「だからこそ言うのです」
「俺もだ。御前のことは嫌わないから安心しろ」
 ドイツはとりわけだった。何だかんだでイタリアに優しかった。
 そしてそのうえでだ。こうも言うのだった。
「では北アフリカでは頑張る様に」
「うん、俺頑張って逃げるからね」
「逃げずに戦え。本当にわかっているのか」
 こうしたやり取りを経て帰るイタリアだった。ムッチリーニと共に。
 その彼を見送ってからだ。ベルギーが兄に尋ねた。
「なあお兄ちゃん、イタちゃん確か戦争準備してたよな」
「してなきゃおかしい」
「そやな。けど何でベルリンに来たんやろ」
「向こうの上司の御供やな。そんで」
「そんで?」
「国家は自分の領土内やったら何処でも移動できる。あいつはローマからベルリンにあるイタリン大使館から一気に移動しただ」
「ああ、それで時間的な余裕もあったんやな」
「移動にも時間がかかるわ」
 オランダもこのことはよくわかっていた。
「そんでも国家やったらや」
「移動に時間かからんからか」
「来られた。まあイタリアの顔見れてよかったわ」
 オランダは無表情ながらもこう言った。
「元気そうで何よりや」
「お兄ちゃんもイタちゃん好きなんかいな」
「ロマーノの方が好きやがあいつも嫌いやない」
 そうなのだった。彼にしても。
「どうにも憎めんわ」
「それがイタちゃんやな」
「あいつの魅力やな」
「そういうこっちゃな」
 こう言ってだ。そのうえでだった。
 
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