ヘタリア大帝国
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TURN24 バトルオブエイリスその六
ロレンスとネルソンがだ。声を枯らして指示を出していた。
「怯むな!退いてはならない!」
「方陣が崩れてもすぐに別の方陣に合流するのだ!」
「孤立するな!守り抜け!」
「陣を組み連携し合うのだ!」
彼等も方陣の中にいて自ら攻撃を出し守っている。ビームやミサイルで槍襖を作る感じになっている。
その方陣の一つ一つをだ。セーラはビクトリアに乗りエイリスと共に駆け回っていた。
「方陣の距離はそのままです!ドクツ軍が来れば挟み撃ちにするのです!」
「いいか!敵は絶対に崩れる!最後まで諦めるな!」
二人も必死だった。イギリスはセーラを護りながら戦場を駆け回っていた。
だがレーティアはそのエイリス軍の方陣を見てだ。こう指示を出した。
「各個撃破だ」
「方陣の一つ一つをですな」
「そうするのだな」
マンシュタインとドイツがその言葉を聞いてモニターから述べた。
「そして敵を少しずつ削っていく」
「そうした作戦か」
「艦隊ごとの方陣ならその方陣を崩す」
それだけだというのだ。
「それだけのことだ。林檎の皮を剥く様に崩していくぞ」
「そうですな。突撃を仕掛けるのは中断しましょう」
マンシュタインもレーティアのその言葉に頷く。
「このまま突撃を仕掛ければ損害が多いです」
「戦いはこれで終わりではないのだ」
エイリスとの戦い、それでドクツの戦いは終わりではなかった。レーティアは彼女の国家戦略全体から考えてそのうえで言ったのである。
「だからだ。いいな」
「では方陣の一つ一つに集中攻撃を浴びせましょう」
ドイツ妹もモニターからレーティアに応える。
「それでは」
「このまま勝てる」
レーティアは勝利を確信していた。
「エイリス帝国は今ここで終わる」
ドクツ軍はエイリス軍の方陣に攻撃を浴びせていった。そうしてだった。
彼女の読み通り方陣は次々に崩されていっていた。
ドクツ軍は長射程と機動力を活かしてそのうえでだ。方陣の一つ一つに集中攻撃を仕掛けていたのだ。無数のビームとミサイル、それに鉄鋼弾の攻撃を受け。
エイリス軍の方陣を組み合わせた陣形が崩れていった。そして。
それはそのまま戦線の崩壊になろうとしていた。ドクツ軍は勝利を掴もうとしていた。
だがここでだ。レーティアのところにだ。
ある報告が入った。それは。
「総統大変です!イタリンが!」
「イタリンがどうした!?」
「首都ローマにエイリス軍の攻撃を受けようとしています!」
「馬鹿な、北アフリカはどうなった!」
「エイリス軍に北アフリカを奪還されました!」
「何っ!?」
これにはだ。レーティアも唖然となった。まさかエイリス軍がそこまで攻めるとは思っていなかったのだ。そしてイタリンがそこまで負けるとはだ。
「それは誤報ではないのか」
「今ベニス閣下から通信が入っていますが」
「通してくれ、すぐにだ」
レーティアはまずは情報を知りたかった。それもムッチリーニ自身から。
それで彼女の通信を聞くことにした。するとすぐにだった。
「レーティアちゃん、助けて!」
「ドイツ、助けてよ!」
レーティアだけでなくイタリアも出て来た。イタリアはもう泣き叫んでいる。
「エイリス軍すっごく強いの!私の国の軍じゃ全然勝てないの!」
「モンゴメリー提督強過ぎるよ!何とかして!」
「あの数はイタリン軍の方が圧倒的だったのでは」
「御前の軍もそれなりの装備だった筈だが」
レーティアだけでなくドイツも唖然となっていた。
「それでローマまで、ですか」
「攻められそうなのか」
「このままじゃロマーノちゃん取られちゃうのよ!ロマーノちゃん助けてあげて!」
「俺もなんだよ!北イタリアも危ないんだよ!」
「妹さん達で何とか持ちこたえているけれど」
「何でエイリス軍ってあんなに強いの!?」
「・・・・・・どうしますか」
ドイツは呆れ果てながらもレーティアに問うた。
「ここは」
「イタリンを奪われればドクツ本土を脅かされる」
レーティアは冷静に戦局を分析して述べた。
「そしてこのままでは実際にだ」
「イタリン本土がですね」
「瞬く間に占領される」
これが現実だった。レーティアはここでも完璧に分析していた。
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