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おぢばにおかえり

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第五十五話 おぢばのバレンタインその十八

「一対一じゃ会わないで下さいね」
「そこは気をつけてるわ。ただ」
「ただ?」
「阿波野君についてもよね」
 ふと思って言いました。
「それって」
「はい、僕が安心出来ないなら」
 阿波野君は私にすぐに答えました。
「どなたかと一緒に会って下さいね」
「そうしないと駄目なのね」
「そうです、僕が危ないって思ったら」
 まさにその時はというのです。
「そうしてくれていいですから」
「そうなのね」
「是非。それとです」
 阿波野君はさrない言ってきました。
「もう一つあります」
「もう一つ?」
「先輩本当に周りには気をつけて下さいね」
 くれぐれもという言葉でした。
「僕にしても。流石にご家族は大丈夫ですが」
「家族には何もされないわよね」
 幾ら何でもです、虐待とかあるお家ではないですし。
「そうよね」
「ですが僕は家族じゃないですからね」
 阿波野君は後輩です、このことははっきりとしています。
「本当に」
「だから気をつけろっていうのね」
「はい、僕だって危ないかも知れないですよ」
「阿波野君悪いことするの?」
「人間って何時どうなるかわからないじゃないですか」
 だからだというのです。
「それで、ですよ」
「気をつけてっていうのね」
「僕だってそうですよ」
「じゃあ阿波野君といる時も」
「出来るだけです」
 本当に、という言葉でした。 
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