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ヘタリア大帝国

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TURN23 タイの話その九

「では今から攻撃をはじめる」
「それではな」
「今からやるか」
 ドイツにプロイセンも応えてだ。そのうえでだ。
 ドクツ軍から重厚な光の帯が放たれた。それは一直線に銀河の闇を切り裂きエイリス軍を撃った。忽ちのうちにエイリス軍の艦艇の何隻かが撃たれ炎に変わった。
「ドクツの攻撃か!」
「相変わらず何という射程だ!」
 エイリスの将兵達はその攻撃を受けて叫んだ。
「こちらの射程に入るのはまだか!」
「すぐに敵の攻撃が来るぞ!」
「ビームだけじゃない!気をつけろ!」
 イギリスがだ。その彼等に叫んだ。
「すぐに高速艦隊も来る。うろたえるんじゃねえ!」
「は、はい!」
「わかりました!」
「今は落ち着いて陣形を維持しろ!」
 攻撃を受けてもそうしろというのだ。
「いいな!守れ!」
「そうよ。祖国ちゃんの言う通りにしてね」
 マリーもだ。戦場にいた。
「ここは守ってね」
「そうだ。我々は今はだ」
「守りに徹しよう」
 ロレンスにネルソンもいた。彼等も戦場に立っている。
「ここが正念場だ。少しでも乱れれば」
「そこにドクツ軍が入ってくる」
 だからだというのだ。
「隙を見せてはならない、今は」
「守り抜くことだ」
「そういうことです。だからです」
 イギリス妹もだ。戦場に立って言う。
「ここは慌ててはなりません」
「いいか、絶対に退くな!」
 イギリスも普段のすました感じはなかった。必死なものが前面に出ている。
「ロンドンを陥落させられたら終わりだ!わかったな!」
「そうです、一歩も退いてはなりません!」
 戦場にだ。セーラもいた。
「この戦いがエイリスの運命の時です。戦うのです!」
「女王陛下!」
「陛下も戦場に!」
「エイリスの女王は誰も戦いを他の者に任せはしません」
 エイリスの伝統だ。国家元首は女王であると共にだ。
 その女王は戦場に自ら赴いて戦うのだ。それがエイリスなのだ。
 だからセーラもだ。この戦場にいた。エイリス帝国の総旗艦ビクトリアの艦橋にいる。
 その艦橋に立ちだ。彼女は言うのだった。
「全艦隊迎撃用意!」
「はい!」
「わかりました!」
 将兵達も彼等の女王の言葉に応える。
「ではここで守り抜きましょう!」
「ロンドンを!」
 エイリス軍も決死の覚悟で戦闘に入っていた。両軍の死闘がはじまっていた。
 この戦いがはじまったことは当然ガメリカにも伝わっている。それを聞いてだ。
 四姉妹達はアメリカ兄妹達と一緒にピザやコーヒーを楽しみながらだ。こう言うのだった。
「できることなら今はエイリスには生き残って欲しいけれどね」
「そうよね。ここでエイリスが敗れるとドクツはさらに強くなるわ」
 ハンナにキャロルが話す。
「だからここはね。何とか頑張って欲しいわね」
「ええ。ただ今の状況だとね」
 どうかとだ。ハンナはソファーに座って足を組んでコーヒーを飲みながら述べた。
「危ういかも知れないわね」
「エイリスが負けたらどうするんだい?」
 アメリカは陽気にそのハンナに尋ねた。
「エイリスを陥とされたら終わりだぞ」
「その時は東南アジア、オセアニアの植民地に一斉に独立してもらうわ」
「そしてなんだな」
「ええ、ガメリカの同盟国になってもらうわ」
 そしてだとだ。ハンナはアメリカに話していく。
 
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