| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十二話 海から運びその一

                第百十二話  海から運び
 カナダや地下世界、南極の諸勢力の面々は一つの宿に集まって泊まっていた、夜は飲んで食べていたがその食べているものはというと。
 横溝は満足している顔で、だった。その名目を見つつ言った。
「これはいいですね」
「牡蠣鍋は、やな」
「はい」
 小泉にも満足している声で答える。
「やはり牡蠣です」
「そうか、自分牡蠣好きやしな」
「大好物です」
 そうだと答えるのだった。
「海の幸の中でも」
「それでやな」
「今も有り難く思っています」
 牡蠣を食べられることがというのだ。
「まことに」
「ほなこれからやな」
「楽しませてもらいましょう」
 箸を手に上機嫌に言うのだった。
「勿論牡蠣以外も食べて」
「牡蠣以外もな」
 モンゴメリも言ってきた。
「色々入ってるしな」
「葱に白菜にね」
 黄もいる。
「茸にお豆腐に糸蒟蒻にね」
「この糸蒟蒻がまたね」 
 愛は糸蒟蒻を見つつ笑顔で酒を一口飲んだ。
「またいいのよね」
「いや、蒟蒻って何か」
 李はその蒟蒻について述べた。
「あれですね」
「あれっていうと」
「普通の蒟蒻と違って」
「細長くてなのね」
「また独特の味がありますね」
 こう愛に言うのだった。
「ほんまに」
「そやから」
「李君糸蒟蒻好きなんやね」
「そうなんです」
「わしとしては豆腐が」
 ラザワウナリスンは白いそれを見て言う。
「ええですな」
「お豆腐ね」
「ほんまに」
「豆腐は身体にいい」
 アグノンも豆腐を見ている。
「その意味でもいいものだ」
「ほんまにな」
「あとこの椎茸がまた」
 マリーメイアは鍋の中のそれを見て笑みを浮かべている。
「ええし」
「つまり何でも食べて」
 セーラは飲みつつ言った。
「楽しめばええかな」
「牡蠣かてこんなにあるし」
 梁は用意されているそれを見た、既に殻から出されているそれは一人辺り百個はありそうである。かなりの量だ。
「食べてこな」
「そして飲む」
 リディアは笑って話に入った。
「そうやね」
「そうすべきだ」
 言いつつだ、玲子も飲んでいる。
「かく言う私も酒は好きだ」
「それでけえな」
「碧が飲むのは止めない」
 こう言いつつ飲むのだった。
「そうしている」
「そうじゃけえな」
「そうだ、牡蠣と酒はな」
 この組み合わせはというのだ。
「いい組み合わせだ」
「全くじゃけえ、広島でもよお食べたわ」
 牡蠣をとだ、碧は鍋の中のそれを笑顔で自分の椀に入れつつ話した。その表情からも彼女の牡蠣好きがわかる。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧