ヘタリア大帝国
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TURN22 各国の会議その五
「俺が引き付けているけれどな」
「君が負けたらドイツ君僕のところに来るよね」
ロシアはにこりと笑ってこうイギリスに言ってきた。
「そうだよね」
「おい、俺が負けるっていうのかよ」
「その可能性はゼロじゃないのかな」
「俺だって負ける訳にはいかないんだよ」
イギリスはムキになった顔でロシアに言い返した。姿勢もそうなっている。
「ここで負けたら本当に終わりだからな」
「けれどドイツ君、そしてドクツ第三帝国自体かなり強いよ」
「ドクツが幾ら強くても国力では上だからな」
エイリスも伊達に世界帝国ではない。そしてその中心の国家であるイギリスもだ。
「だから絶対に勝つからな」
「じゃあ僕の出番はないのかな」
「御前はそこにいてドイツや日本の押さえだな」
要するに動くなというのだ。
「まあ適当にやっておいてくれ」
「じゃあ日本君と戦争に入ろうかな」
ロシアがにこやかにこう言うとだ。アメリカと中国の表情が一瞬凍った。
だがそれはほんの一瞬でだ。すぐにこう言ったのだった。二人で。
「ははは、まあ僕達がいるからな」
「出番はないあるぞ」
二人はこの戦争の後でその日本をロシア、つまり人類統合組織ソビエトにぶつけるつもりなのだ。だから今はロシアに対してこう言うのだった。
「君は見守っていてくれ」
「何もすることはないあるぞ」
「そう。だったら静かにお茶でも飲んでいようかな」
ロシアは二人に言われてとりあえずは大人しくなった。
だがそれでも何処か油断のない気配の感じでそこにいた。その彼を見ながらだ。
イギリスは最後にフランスにだ。こう言った。
「で、御前はな」
「ああ、俺な」
「どうする?」
これまでとはうって変わってだ。イギリスはかなり手持ちぶたさな感じになってた。
「御前は」
「どうするってよ。いや、俺だってな」
「戦いたいか?」
「俺の本体を回復したいんだけれどな、ドクツからな」
わりかし切実な顔でだ。フランスはイギリスに答えた。
「けれどな。上司の人がな」
「そのシャルロットさんかよ」
「あの人に色々教えててな」
そしてだというのだ。
「それも忙しいし。しかもな」
「平和主義かよ」
「オフランスのな。今のビジー司令官もそっちだしな」
「じゃあ動けないってのかよ」
「だからマダガスカルにいるんだよ」
そこからだ。軍を全く動かさないというのだ。
「そうしてるんだよ」
「そうか。じゃあ御前はな」
「ああ、それで何をするんだ?」
「今はとりあえずインド洋の防衛を頼むな」
戦場にすらなっていないだ。そこのだというのだ。
「そこに俺の艦隊もいるからな」
「ああ、じゃあセーシェルと一緒にいるな」
「頼むな。で、それぞれの担当が決まったな」
「よかったね。これなら上手くいきそうだね」
ロシアがフランスに応えて言う。
「楽しみにしてるよ」
「いや、楽しみじぇねえだろ」
イギリスはそのにこにことしているロシアを見据えながら言い返した。
「しかもな。御前の隣の席な」
「あっ、この席だよね」
「何で空いてるんだ?」
イギリスはその空席を見ながら言う。
「ここにいるのは連合の主立ったメンバーでな」
「うん、僕達五人だけだよね」
「で、何でもう一つ椅子があるんだよ」
メンバーは五人だが椅子は六つあった。
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