ソードアートオンライン-Dark knight-Legend-
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プロローグ
前書き
約束は果たした。始めるぜい!
第五十五層の雪山の中、星がよく見えるとある場所に彼はいた。
マントで身体を覆い、夜空を眺めていた。
この世界の星は本物ではない。だが、現実以上に瞬き夜空を煌めかせる。
「……」
彼は言葉を発することなく、ただ夜空を見ていた。
しばらくし、夜空から飛翔音と月の逆光と共に何かが現れた。
その姿は、黒き鱗を纏った龍。
黒い瞳は、彼のみを映し、地響き立てることなく静かに地に降り、彼の傍に行く。
彼はそれを見て、手を伸ばす。
「お帰り」
労いの言葉を発しながら、龍の顔を撫でる。
龍は喉を鳴らしながら、その体を彼が寄り掛かりやすくしゃがませ、彼は苦笑しながら寄り掛かり頭を撫でて夜空を見上げる。
星は変わらず輝き、彼らを照らす。
「虚像だとしても、星はどうしてもきれいに思えてしまうな……」
そのボヤキに、龍は唸って答える。
「……いずれは消えてしまうとしても、この世界の輝きは覚えて置かないとな」
彼は立ち上がりながらいい、マントを靡かせ歩き始める。
龍は静かに羽ばたき、その地を後にし主たる彼に付き従う。
この世界が終るまで、彼らは死の世界を歩き続ける。
その目には、決意の焔が宿っていた。
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