夢幻水滸伝
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第百十話 争わずともその十二
「やっぱり」
「それは当然やな」
マリーメイアが欧に応えた。
「もうそれこそや」
「血の滲む様なっていうか」
「血を吐く位のな」
「修行を長年続けて」
「それでや」
そこまでしてというのだ。
「あたし等位にまでなった」
「そういうことやな」
「それに和上の才能は元々凄かった」
このことはラザワウナスリンが言った。
「それこそ天才の域まで」
「そうした条件が揃ってやけど」
それでもとだ、黄が応えた。
「強くなれることは事実やな」
「人間まずは努力」
ナツァグドルジは考える顔で言った。
「そういうことやな」
「実はわらわもじゃ」
また碧が言ってきた、ここで言うことはというと。
「音痴だったのじゃ」
「そうやったんか」
「それがじゃ」
「努力してかいな」
「カラオケに行って一人で二時間三時間と歌ってじゃ」
そうしたことをしてというのだ。
「それでかなりよくなったのじゃ」
「そんなことがあったんかいな」
「最初は某漫画のガキ大将とか言われておったのじゃ」
「ああ、映画ではめっちゃ勇敢な」
「あのキャラみたいだと言われておったのじゃ」
「そこまで音痴やったんやな」
「それがじゃ」
今はというのだ。
「すっかりじゃ」
「カラオケで歌いまくってやな」
「かなりよくなったのじゃ」
「そういえばあんた今は結構上手とよ」
美鈴もそうだと述べた。
「それが最初はたいか」
「そうじゃ、音痴でじゃ」
「努力したんやな」
「元々カラオケは好きじゃったしのう」
「二時間三時間と歌ってやな」
「かなりよくなったけえ」
美鈴にも言うのだった。
「やっぱり人間努力じゃ」
「そういうことたいな」
「わらわも強く思うことじゃ」
「駄目な奴は何をしても駄目」
この言葉をだ、黄は否定して言った。
「それはちゃうからな」
「むしろ努力を否定する奴こそ」
「ほんまにあかんってことやな」
ガルパンとビクトリアも言った。
「要するに」
「そういうことやな」
「その通りじゃ、わらわは努力を否定する奴は大嫌いじゃ」
碧はこのことは強い声で言い切った。
「そんな奴こそ何にもならんのじゃ」
「その通りたい」
美鈴は碧のその言葉に強い声で応えた。
「自分もわかってるな」
「人間努力じゃ」
碧は今度は腕を組んで言い切った。
「お父さんとお母さんにもそう言われてきたけえ」
「出来たお父さんとお母さんやな」
「だから黒田さん、新井さんと同じだけ尊敬してるけえのう」
「カープの人達と同じ位たいか」
「他には浩二さんと衣笠さんも尊敬してるけえ」
山本浩二と衣笠祥雄だ、二人がカープの第一期黄金時代を支え憎むべき巨人を倒し続けてくれたのだ。
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