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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十四話 ガジュマルの木の傍でその九

「商売の神様ともね」
「されてるのね」
「だからキジムナーも」
「恋愛成就になっても」
「別にね」
 それがこじつけでもだ。
「いいんだよね」
「そうなるのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「関羽だけれど」
 僕はまたこの人の名前を出した。
「あの人とお金はね」
「何かピンとこないわよね」
「これが学問だとね」
 こちらはというと。
「わかるけれどね」
「あの人頭もよかったから」
「呂布よりは強さは劣ってもね」
 それでもとだ。
「全体的にはね」
「関羽の方が上よね」
「ゲームだと戦えて」 
 とにかくこちらが関羽の得意分野であることは確かだ、だから劉備でプレイしていると最初は小勢力でも関羽そして張飛にかなり助けられる。
「政治も出来るから」
「凄く役に立ってくれる人よね」
「知力も高いからね」
「総合力では呂布よりずっと上ね」
「愛読書は左伝で」
 春秋左氏伝だ、中国では儒学にも使われるかなり有名な書だ。
「これを熱心に読んでいてね」
「学問もあるのね」
「だから呂布よりもね」
「総合力はずっと上ね」
「そうなんだよね、そして学問もね」
 こちらもだ。
「神様になっていてもね」
「それは納得出来るのね」
「うん、けれどお金は」
 こちらのことは。
「生粋の武人でね、清潔であっても」
「お金儲けにはよね」
「どうもね」
 お金儲けの神様にもなった理由を知っていてもだ。
「ピンと来ないね」
「そう言われるとあたしもね」
「美沙さんもだよね」
「関羽さんとお金はね」
 この両者の関係性はというのだ。
「どうもね」
「ピンと来ないよね」
「本当にね、それでキジムナーも」
 またガジュマルの木を見て僕に話してくれた。
「恋愛をいいものにしてくれるなら是非にだけれど」
「ピンとはこないんだね」
「どうしてもね。ただ」
「ただ?」
「お魚の片目お供えしたらいいかな」
 ここでこうも言ったのだった。
「ひょっとしたら」
「ああ、キジムナーは魚の片目が好きだから」
「だからね」
「そうだね、それじゃあ」
「今からね」
 こう僕に話してくれた。
「食堂か売店でね」
「お魚売ってるところに行って」
「お魚の片目だけを貰って」
 そうしてというのだ。
「お供えしようかしら」
「それじゃあね」
「ええ、あたしにとってはじめてのことだから」
「はじめて男の人と付き合うから」
「だからね」 
 それでというのだ。
「やっぱりお付き合いするならね」
「幸せにだね」
「なりたいから」
 だからだというのだ。 
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