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八条学園騒動記

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第五百三十三話 天本博士と謎の集団その二

「何かしらの」
「そう思うか」
「世の中色々な宗教がありますからね」
「それはそうじゃな」
「連合は宗教も多いですから」
 それこそ文字通り星の数程存在している、連合は宗教でもモザイク国家であり実に雑多な状況であるのだ。
「その中には」
「そうしたじゃな」
「何か得体の知れない」
「そうした宗教もじゃな」
「あるかと」
「そうじゃな、しかしな」
 博士は野上君に答えて述べた。
「こうした宗教はな」
「ご存知ないですか」
「わしに知らんことは興味のないものだけじゃ」
「それ誰でもそうじゃないですか?」
「わしは少しでも興味のある分野は隅から隅まで知っておる」 
 その分野のというのだ。
「そういうことじゃ」
「ああ、そうした意味ですか」
「そうじゃ、それでじゃ」
「宗教のことは」
「実は今は興味がない」
 こう野上君に答えた。
「わしはな」
「そうなんですね」
「うむ、だからあの団体が何者か」
「ご存知ないですか」
「円錐形の白いものを頭から被ってな」
 博士は野上君にその見たものをさらに話した。
「手も出しておらず歩いているだけじゃ」
「目は見えてるんですよね」
「そこはちゃんと開いておった」
 そうだったというのだ。
「それで七人位で道路の端を縦列で歩いておった」
「そうでしたか」
「それでじゃが」
 博士は野上君にさらに話した。
「わしはあの者達が何者だったかとな」
「今でも考えておられますか」
「考えるとなると」
「博士はいつもですよね」
「この目で見て確かめる」
「それが博士ですからね」
「少し上野星系まで行って来る」
 野上君に実にあっさりとした口調で答えた。
「暫く留守を頼む」
「わかりました、それで行かれるのは博士だけですか?」
「使い魔なり何なりじゃな」
「そういうのは連れて行かないんですか」
「メカラドンに乗っていく」
 博士は野上君にあっさりとした口調で答えた。
「ライゾウとタロも一緒じゃ」
「あれっ、おいら達もかよ」
「一緒なんだ」
 自分達の名が出るとすぐにだった、それまで部屋の端で寝ていたライゾウとタロは頭をぱっと上げて反応した。
「それもいつも通り急に決めてるけれど」
「本当に上野まで行くんだ」
「だからわしは思い立ったらじゃ」
 博士は二匹にも答えた。
「動くからのう」
「まあいつもの破壊活動よりはましか」
「大虐殺とかね」
「この前は凶悪犯罪者用の刑務所に襲撃かけたからな」
「グアテマラのね」
 博士は凶悪犯が嫌いだ、何でも小悪党は駄目とのことだ。
「それで凶悪犯を二十人位拉致してね」
「生体実験に使ったよな」
「全員死んだけれど」
「殺人よりはましか」
「小悪党の命なぞどうでもよいわ」 
 博士は実際に二匹にこう答えた。 
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