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夢幻水滸伝

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第百八話 低い山なれどその三

「まだそうした部族もいます」
「土の様に使っているな」
「そうしてます、まあわいの造る家は」
「木や煉瓦だな」
「もっといい素材の家もどんどん造っていって」
「民の暮らしを向上させたいな」
「今はアフリカだけですけど」
「統一されたならな」
「はい、大工として」
 この職業からだ、アグアルーザはさらに話した。
「それで」
「そうだな、ではだ」
「そちらで、ですね」
「頑張ることだ」
「そうですね、しかしほんまに」
 アグアルーザはあらためて言った。
「牛は無駄がない生きものですね」
「馬も羊も豚も」
 身体全体に黒と青、緑に黄色と目立つ柄のローブをまとった羊人の少女だ。背丈はわりかし小柄な方だ。人異星ベッシー=パーである。マリ出身で職業は占い師手にしている神具は水を操るダの目という青い宝玉だ。
「何でも使える」
「無駄がない家畜だな」
「山羊もですね」
「鶏もな、そしてだ」
「命あるものやさかい」
「無駄なく使うべきだ」
 それこそとだ、吉川はベッシーにも強い声で話した。
「ただ食うだけでなくな」
「鶏だと羽根も使えますし」
「卵もあるしな」
「あと骨もですね」
「いいダシが取れるな」
「中華のスープですね」
「そうだ、とかく家畜はだ」
 命、それがあるからこそというのだ。
「大切に全て使わないとな」
「駄目ですね」
「牛の内臓もな」
 これもというのだ。
「私は食べる」
「ホルモンですね」
「これも美味いしな」
「そうですね、この前そのホルモンを頂きましたけど」
 ベッシーは吉川が言うこの食材の話もした。
「焼いて食べて」
「美味かったな」
「こちらも」
「そうだな、しかも内臓は栄養も豊富だ」
「そやからですね」
「尚更食べるべきだ」
 吉川は強い声での言葉を続けた。
「健康を考えるとな」
「ほんまにそうですね」
「コレステロールは高いというがな」
「コレステロールを言ったら」
 少し苦笑いで言ったのはママニだった。
「ビールは」
「そちらの方が問題だな」
「ない、あれが一番」
「ヘッセも言っていた」
 ドイツの星の者で神星の一人でもある。五騎星の中でも筆頭格と言う者がいるまでの人物だ。
「ドイツでは痛風が多いとな」
「国民病だそうですね」
「そうだ、料理の内容も言われているが」
 ソーセージやベーコン等が多くジャガイモにバターをよく使って調理する、そうしたことでコレステロールが蓄積されるという。
「やはりな」
「ビールですね」
「朝からビールを飲む」
 ドイツではそれが普通であるが欧州の多くの国で水の質が悪い為酒を飲料として飲む習慣が結構あるのだ。
「食欲がないとな」
「確かビールに生卵を入れて飲む」
「そうしたこともしている」
「そうした食生活では」
「痛風も多くなる」
「特にビールですね」
「そうだ、この世界ではまだ改善されたビールは出ていない」
 痛風の原因となるプリン体がないビールである。 
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