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妖女の正体

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第四章

「出来ます」
「そやな、それやったら」
「おそらく高位のモンスターがです」
 サキュバスクイーンなり九尾の狐なりの極めて高位の精気を吸い取るモンスター達がというのだった。
「この街に妖力を消して入り」
「強いモンスターはそうしたことも出来るしな」
「かなり高位ともなれば」 
 それこそドラゴン並になればだ、もっともここまで強いモンスターはドラゴンと同じくかなり稀少である。
「可能です」
「ほなな」
「はい、ここは」
 まさにというのだ。
「強力なモンスターが街に潜入し」
「そしてやな」
「己の眷属を召喚しているのでしょう」
「ほな」
「元凶の高位のモンスターを探し出しましょう」
 九尾の狐かサキュバスクイーンかわからないが、とだ。こう話してだった。
 二人は次の日の夜も捜査を続けたが不意に。
 後ろから妖艶というよりかは随分といやらしい三十代位の女の子がしてきた。
「ちょっといいかしら」
「何でしょうか」
 横溝は振り返らず声の主に言葉を返した、島崎も振り返らず二人共すぐに武器や術を出せる様に秘かに身構えている。
「一体」
「来て欲しいところがあるの」
「それは何処でしょうか」
「楽しい場所よ」
 声はいやらしい、声にそれを入れて話した。
「それは」
「そうですか、ではです」
「来てくれるわね」
「そうさせてもらいます」
「私もや」
 島崎も応えてだ、そうしてだった。
 二人は前に出て来た一見すると日本の花魁に見えるダークエルフの女に応えた。そうしてであった。
 ある場所に案内された、そこは街の外れで人気が全くない寂れた家も田畑もない地域であった。そこに案内されると。
 ここでだ、二人の前に欧州の娼婦それもかなり高級なそれを着た女が出て来て言ってきた。靴はかなり高いものだ。
「私達のことを嗅ぎ回っているわね」
「貴女はどうやら」
 女、一見人間それも絶世の妖艶な美女に見える彼女を見てだった。横溝は言った。
「サキュバスクイーンですね、街に潜り込んだ」
「わかるのかしら」
「推理しまして」
 それでと言うのだった。
「この程度は」
「程度なのね」
「街に精気を吸い取るモンスターが多いのは」
 それは何故かもだ、横溝は話した。
「貴女が召喚しましたね」
「ここは北極上空屈指の歓楽街」
 島崎も言ってきた。
「精気も吸い取りやすいな」
「だから狙って潜り込んだけれど」
「やっぱりそやな」
「ええ、二人共随分察しがいいわね」
「有り難うございます、ですが」
 ここでだ、横溝はこうも言った。
「察しがいいと」
「そうよ、かえって危ない場合もあるわよ」
「今のわたくし達のことでしょうか」
「そこもわかってるわね、秘密を知り過ぎた相手は」 
 女は次第に姿を変えてきた、人間の娼婦から。 
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