おぢばにおかえり
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第五十四話 最後の学期になってその二十
「あんな優しい人いないのに」
「けれど人間誰でも色々な面があるでしょ」
「だからなの」
「立腹したらね」
その時はというのです。
「残酷になるかも知れないわよ」
「そうしたものなのね」
「人間って色々な面があるから」
「あんな優しい人でも」
「ええ。けれどいつも反省されてるのよね」
「私にもよくお話してくれたし」
このことをです。
「阿波野君にも言ってね」
「それであの子はちっちが立腹すること言ったのよね」
「そうなの、怒ろうと思ったわ」
実際に後で注意しました。
「先輩にそんなこと言うなんて」
「そうよね、けれどね」
「阿波野君が言うのもなの」
「少しわかるわ、私は」
阿波野君はあの時そんな酷いことすること自体が間違っているとか反省する位なら最初からしない方がいい、でした。そんな感じで言っていました。
「その子の気持ちがね」
「そうなの」
「ええ、私そんなことされたら一生忘れられないから」
「神殿の礼拝堂で上から言われたり高校の正門で待ち伏せされて言われたりとか」
「言われた人絶対根に持つから」
そう言われるとわかる気がしました。
「恨まれるわよ」
「じゃあ先輩も」
「恨まれてると思うわよ、相手は許した顔をしていてもね」
「実は、なのね」
「今も恨んでるんじゃないかしら」
「先輩そのことは」
「ご存知かも知れないけれど」
それでもというのです。
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