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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十二話 学業成就とその一

               第二百四十二話  学業成就と
 僕は早百合さんと別れた後少し校舎から出た、そうして学園の中を少し一人で歩こうと思った。けれど。
 そこで小夜子さんとばったり出会った、僕が小夜子さんにどうしているのかと聞こうと思ったら小夜子さんの方から聞いてきた。
「あの、どうしてこちらに」
「いや、ただ散歩をね」
「されていますか」
「ちょっと色々食べて飲んでね」
「そうされた後で」
「早百合さんや裕子さんともお会いしたけれど」
 このことも話した。
「それでね」
「気分転換でしょうか」
「それでね」
 まさにそれだった。
「今はね」
「散歩をされていますか」
「そうなんだ」
「そうでしたか」
「まああと少ししたらクラスに戻るけれど」 
 喫茶店の方にだ。
「今はね」
「何もなしですね」
「幕末とも維新とも離れて」
 文化祭の今回のテーマともだ。
「そうしてね」
「そうですか、実は私は」
 小夜子さんは僕の話を聞いてから自分のことも話してくれた。
「これからお参りをするつもりでして」
「神社のかな」
「お寺と教会、天理教の方にも」
 キリスト教の教会だけでなくというのだ、日本では教会といっても天理教の教会もある。そしてこの学園の中にはキリスト教になるとカトリックとプロテスタントの教会がそれぞれあって正教の礼拝堂もある。今度こちらの教会も出来ると聞いている。
「お参りをと」
「全部回るんだ」
「モスクは行かないですが」
 イスラム教のそちらはというのだ。
「それでもです」
「イスラムはね」
「はい、他の宗教と一緒にしますと」
「駄目だからね」
「寛容な宗教でもですね」
「モスクに行って教会でお参りするとか」
 そうしたことはだ。
「あの宗教では考えられないから」
「ですから」
「日本でもね」
 宗教に寛容な国でもだ、尚モスクにいる法学者の人は他の宗教の聖職者の人達と仲がいい。もっと言えば秘かにアッラーに謝罪したうえでお酒も飲んでいる。
「それは出来ないね」
「ですから」
「そうだね、しない方がいいね」
「それでそちらは行かないで」
「それでだね」
「お寺や教会にお参りしてきます」
 勿論神社にもだ。
「そうしてきます」
「そうするんだね」
「学業成就と」
「それと」
「もう一つの為に」
「もう一つ?」
「それは後で」
 小夜子さんは僕に頬を赤くさせて答えてくれた。
「お話させてもらいます」
「そうしてくれるんだ」
「全部お参りした後で」
「そのお話だと」
 僕は小夜子さんの今の言葉からすぐに察して述べた。 
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