小さな洞窟
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第四章
「このままやとな」
「持って行くことは出来へんな」
「そや、それはな」
どうにもと言うのだった。
「持って行けるにしても」
「人間の指に入る大きさやとな」
「今の私達やと」
十センチにも満たない、九センチ位の大きさではというのだ。
「流石にな」
「無理やな」
「運んでいけるにしても」
「帰りも虫やら鼠から出て来る」
「今の私等やとゴキブリもとんでもない敵や」
「ジャイアントローチ以上のな」
この虫もこの世界にはいて人を襲うのだ。
「強敵や」
「そやからやな」
「勝てるにしても」
「戦闘の邪魔やしな」
それでというのだ。
「今はな」
「アイテムで小さくするか」
「そうしてポケットの中に入れて」
そうしてというのだ。
「運んでいこうな」
「それがええな」
こう話してだった、そのうえで。
アグノンはアイテムで触れたものを小型にするものを使ってそれで指輪を小さくして自分の軍服のポケットに入れた、そうしてだった。
洞窟のこれまで行った道を帰った、その道でも多くの虫や小型だが今は大型になっている獣達それにモンスター達を倒してだった。
洞窟を出て後は元の大きさに戻ってだった。
領主の奥方にその指輪を差し出した、するとそれはまごうかたなき本物で領主の妻、エトリャウシカ=ジョバンという金髪碧眼のホビットの貴婦人も笑顔で言った。白というより銀色のドレスが実に眩い。
「有り難うございます」
「これがですね」
「私の指輪です、主人から結婚の時に頂いた」
「そうですか」
「たまたま私が散歩中に指輪と指の間に何か入ったと思い外したら」
「そこで、ですか」
「落としてしまって」
そうしてとだ、梁種の妻はアグノンに話した。勿論そこには欧もいる。二人共領主の屋敷で彼女と話している。
「それで調べてもらったら」
「あの洞窟にですか」
「あると出て」
それでというのだ、尚この捜索は失ったアイテムを探すアイテムを使いそうして探して発見したのだ。
「それでなのです」
「そうでしたか」
「はい、そして」
領主の妻はアグノンにさらに話した。
「この度は見付けて頂いて」
「それで、ですか」
「まことに有り難うございます。報酬は」
こちらの話もしたのだった。
「お約束します」
「では」
「はい、こちらに」
アグノンに笑顔で言ってだった、領主の妻は彼と欧に多額の報酬を支払った。二人も旅の冒険者としてその報酬を受け取った。
その後二人はアグノンの勧めでオルシュチンの居酒屋に入りそこでだった。
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