八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十一話 お茶の後でその十四
「ですが顔立ちも」
「そんなに、でしたね」
「美男子というには」
「少し無理があって」
「馬に乗れても」
愛馬はマレンゴという名前だった、自分が勝った戦場の名前だ。
「それで特別上手ではなく」
「あまり映えない人でしたね」
「外見は。カエサルもそうでしたが」
こちらの英雄もだ。
「この人も」
「ああ、有名ですよね」
「よく言われてますね」
「髪の毛薄かったんですよね」
それで禿げの女ったらしと言われていた、カエサルはそれを自分が率いている兵士達に言われて嫌だったが寛容な性格だったので咎めもしなかったらしい。
「あの人」
「はい、そして天才かというと」
「学問好きでもあって」
女の人以外にもこちらも好きだった。
「それで、でしたね」
「ことを為せたので」
「九十九パーセントの人で」
「無敵主人公かというと」
「違ったかと、音楽では先程お話したモーツァルトも」
「無敵主人公ではないですね」
「そして王子様でもです」
努力なぞ一切不要、才能だけでとんでもない必殺技を出して何でもなく様な悪い意味で漫画な天才でもなかった。
「音楽特化の人で」
「音楽以外のことは、でしたね」
「悪人ではなかったのですが」
無邪気で人懐っこい人だったらしい、意地悪でもケチでもなかったらしい。執念深くもなく嫉妬心も希薄だったらしい。
「正確破綻者かというと」
「それに近い人でしたね」
「はい、エジソンやニュートンに近い」
「その分野の天才ですね」
「その分野で常に九十九パーセントの努力をしている」
そうしたというのだ。
「天才でした」
「それがモーツァルトの天才ですね」
「そして九十九パーセントの努力から」
「一パーセントの閃きをですね」
「得ることが上手だったのでしょう」
「そうした天才ですね」
「はい、ただ」
ここで早百合さんはお茶を飲みつつ僕にこうも話してくれた。
「あの人は閃きが一パーセントだったか」
「もっとありましたね」
「努力も百パーセントだったかも知れないです」
「百パーセントの努力に」
作曲していないと苦しいという位でだ。
「そこにですね」
「二パーセントか三パーセントの閃きがあって」
「それで、です」
「天才だったのですね」
「そうだったかも知れないです」
「一パーセントでも百を上回っていて」
「天才の中の天才だったかと」
その僅かな違いがだ。
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